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「…ふぅ。強いわね、エリシア。流石、チャンピオンの婚約者といったところかしら」


なんとかミモザさんを倒し、マインドバッジを受け取る。
それと、ミモザさんのポケナビの電話番号と、めいそうの技マシンももらった。
その際に、楽しそうに笑って言った彼女に、なんだかいたたまれなくなる。

「…毎回思うんですけど、名前だけで認識されるんですね」

「あら、名前だけじゃないわよ?」

毎回名乗ったあとに出る"チャンピオンの婚約者"という言葉に、ダイゴさんはジムリーダーになんて言ってるんだろうか…なんて気になっていたけど、
どうやらあの人は名前だけでなく、私を認識できるように写真まで配っていたらしい。

なんてこった…!!!


「今すぐ各ジムに行って回収するんでその写真ください!!!」

「それは無理よ。だって、新しいチャンピオンからの最初の依頼だったのよ?」

みんな記念に資料と写真は保存しているだろうと、笑いながら言われた言葉に肩を落とす。

「残念だけど、私も写真と資料は渡すつもりはないわ。諦めて頂戴ね」

「…後でチャンピオン倒して、ジムリーダーにその写真と資料を回収するように言いますから」

「あら楽しみ」

期待して待っていると笑顔で言われ、これは本気にされていないなと少し拗ねてしまう。

そんな私を見てミモザさんは小さく笑い、ジムの出口まで案内してくれた。
















「さぁ、チャンピオンを倒すなら早くいかないとね。次はルネシティに向かいなさい」

「はい。ありがとうございました」

ミモザさんに一礼し、とりあえずポケモンセンターに行ってみんなを回復してもらい、そわそわしているミロカロスに笑ってチルットのそらをとぶでミナモシティに戻る。





「着いた!ありがとう、チルット」

「チルッ」


ミナモシティに着けば一直線に海へ向かい、水面へミロカロスを出した。

「お待たせ、ミロカロス。コンテストに出ようか」

私の言葉にミロカロスは喜ぶ。
…もしかしたら、ジムで戦うよりもコンテストに出るほうが彼女は好きなのかもしれない。

「さて、じゃあ技の構成を見直して、ポロックでコンディションも整えていこうか」

「ふわあぁぁぁぁお」

ニコニコと、嬉しそうに私に擦り寄るミロカロスを撫で、まずはポロックを食べさせていく。
その間に頭の中で技の構成を練り、鞄の中の技マシンと相談する。

とりあえずなみのりとハイドロポンプと…、あー、れいとうビームあったかな…。
無かったらミナモデパートに見に行くかぁ。
…あ、せっかくトクサネジムであまごいを覚えてもらったから、次はあまごいも使うか。

…うん。なみのりとハイドロポンプとあまごいと、れいとうビームはあとでデパートに見に行こう。

技構成を整え、ミロカロスのコンディションも整ったため一旦彼女をボールへ戻し、足早にデパートへ向かった。







「おぉぉ…!!」


デパートに着き、道具や技マシンの豊富さに感動して、れいとうビームだけ買おうと思っていたのに、
ついつい余計なものまで買ってしまう。

「…あ、ゴールドスプレー無くなりそうなんだよねぇ。ついでに回復薬も多めに買っておこう」

お金に余裕があるからと買い物かごに次から次へと商品を入れていき、デパートを出る頃には所持金が来る前の半分になっていた。

ちょっと買いすぎたかもしれない。鞄が重い。

「まあでも、れいとうビームの技マシンがあって良かった」

手に技マシンを持ったまま海まで戻り、ミロカロスを出して技を覚えてもらう。

技を覚えれば、コンテストでも通用するように技の出し方、魅せ方を調節していく。

「よーしミロカロス、特訓開始よ!」

「ふわぁぁぁお!!!」






「ミロカロス、そのれいとうビームは相手に直撃させるより、少し風上に撃って氷の刃で相手に当たるようにするのよ!」



「…っうん、いいかんじ!流石ミロカロスね!!その調子で、次はあまごいの後にハイドロポンプ!」



「ミロカロス、あまごいの後にれいとうビームよ!雨をあられに変えて、幻想的な雰囲気を作りましょう!!」








「…そうよミロカロス!!完璧だわ!!」


私とミロカロスが満足する技のレベルになれば、特訓は終了。
デパートのお菓子コーナーで売っていたポフィンをあげれば、ポロックの時より喜んでいたから、これは特訓後やコンテスト後にあげたほうがいいかもしれない。

デパートでミロカロスのコンテスト衣装や私の衣装も新しく買ったため、明日のコンテストではそれを着よう。


「たのしみだね、ミロカロス」

ミロカロスの毛並みを整えながら撫でれば、彼女は嬉しそうに何度も頷く。
その可愛さに顔が緩み、ぎゅっと大きな身体に抱きついた。

絶対に、明日優勝させてあげないと…!

 

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