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翌日、ヒワマキシティを出発してミナモシティへ向かう。
進化したメタグロスとサーナイトをメインに、道中現れるトレーナーとポケモンバトルをしながら進んでいれば、一つの看板が目に入った。
「"いろいろなポケモンと触れ合えるサファリパーク" …へぇ、サファリパークかあ」
そういえば、ゲームではポロックをあげるか、石をぶつけるかの駆け引きでポケモン捕まえてたっけ。今思うと、石をぶつけていいのか疑問だけど。
ポロックと残金を確認し、試しにと中へ入ってみる。
「……え、無料なんですか?」
「はい。今は運用を変えてるんです」
受付をしようとスタッフに声をかければサファリパークの説明をしてもらい、まず私がゲームで知っていた運用と違う点が多くて驚いた。
「サファリパークの利用は無料です。ポケモンとのバトルも、野生のポケモンと行なっているものになります。歩数制限や制限時間もございません。ただし、ポケモンを捕まえるボールはお客様でご用意ください」
なるほど。制限が無いのは嬉しい。
ボールもヒワマキシティのフレンドリィショップで少し買い足したし、無くなってもこの先のミナモシティで買い足せば………、あれ、
カウンターの横に取り揃えてある物を見て、スタッフは輝かしい笑顔を向けてくれた。
「各種ボールはこちらでも販売しておりますので、よろしければぜひ」
「そうなんですね」
ちらりと値段を確認すれば、なるほど良い商売だ。
さりげなくフレンドリィショップよりも100円高い値段で売っている。観光地価格か。ハイパーボール1個1300円て。
特にボールには困ってないため売り場をスルーし、サファリパーク敷地内に足を踏み入れる。
近くの草むらからポケモンに会っていくかと一歩目を踏み出せば、男性スタッフから声をかけられた。
「ここは落とし物が多くてね。拾ったらそのままもらっていいよ」
「いいんですか」
「いいよ」
そこは止めてくれ。
でもありがたいからお礼を言って入口近くの草むらでポケモンたちに会っていく。
ナゾノクサやドードー、コダックやクサイハナと、多様にいるんだなと感心していれば、聞き覚えがある、耳に馴染みがいい鳴き声が聞こえた。
ハッとしてその方向に顔を向ければ、黄色いギザギザの尻尾が草の間から見えたため、しのびあしでゆっくりと近づく。
すぐそばまで近づけばピカチュウはこちらに振り向き、驚いて襲いかかってきたためバトル開始。
「ピカピカっ!!」
「キュウコン、あやしいひかり」
「キュウ!」
キュウコンを出してもうお決まりとなっているあやしいひかりを指示すれば、ピカチュウは混乱する。
あとはおにびでも状態異常にさせて、捕まえやすい状態をつくってからハイパーボールを投げる。
1回、2回、3回……カチリ。
ボールの揺れが止まり、音が鳴ればゲットの合図。
キュウコンの頭を撫でながら、ピカチュウが入ったボールを拾ってサファリパークを出る。
「……?キュウコン、歩くの?」
「キュウ」
「そっか。疲れたらボールに戻るんだよ」
サファリパークを出ると同時にボールからキュウコンが出て隣を歩く。
あまりボールから出ようとしない彼が歩くなんて珍しい…と思ったが、そういえば最近ご飯やポロックを食べすぎてたような気がする。
サファリパークから少し離れてから、先ほどゲットしたピカチュウをボールから出し、かいふくのくすりを与える。
「よろしくね、ピカチュウ」
「ちゃあ!」
笑顔で片手をあげて答えてくれた。
かわいい。
性別はどうやらオスのようで、やはりピカチュウという種族だからなのか、攻撃と素早さに長けていた。防御低すぎ問題。
ポケモンリーグまでにかみなりのいしを手に入れられるか考え、ルネジム攻略までに持ってなかったら両親に相談するか、それともダイゴさんみたいに洞窟に篭るか悩む。
「とりあえずミナモシティに行くか」
悩むのは一旦後だと考えるのを放棄し、先を進もうとピカチュウをボールに戻そうとすれば、彼もボールには戻りたくなさそうだった。というか、戻そうとボールを投げたが尻尾ではじき返された。
私はサトシか。
「じゃあ、ピカチュウも歩き疲れたらボールに戻るんだよ」
「ピカ!」
自分はここがいいと、私の身体を登って肩に乗った。
だから私はサトシか。
ピカチュウの体重は6kgあり、だいぶ重たいが我慢出来るまで甘えさせようと思う。いざとなったらキュウコンの背中に乗せよう。
あ、ちょっとキュウコン、私の考えを読んでボールに戻ろうとしないでよ。
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