サボが兄弟である白髭海賊団二番隊隊長のポートガス・D・エースのメラメラの実の能力を手に入れた。どんな能力かは知ってたし、彼ならきっとすぐに使い熟すだろう。そんな彼を横目に見ながら私は書類と格闘中。なんでこんなに溜まってるんだ?私がサボってた訳じゃないのに。いや確かに少しサボってたけど。


「はぁ〜〜」

「でかい溜息だな、アクア」

「放っといて〜…」


行儀悪く頬杖つきながら書類に筆を走らせる。ブツブツ文句言いながらも書類と闘ってると、「ま、頑張れ」とサボが頭を撫でてくれた。


「、!…サボ?」

「??どした?」


サボに頭を撫でられるのは初めてではない。でも、確かに感じた事のない温もり。


「……暖かい」

「っ、」


グローブ越しでも伝わる温もりに思わずサボの手を掴み、温もりを感じる様に自分の頬に宛てる。


「メラメラの実の能力のおかげなのかな?サボが暖かい…」

「…俺が冷たかったみたいな言い方だな」


苦笑混じりに笑うサボ。冷たかった訳じゃないけど、グローブ越しでは伝わって来なかった。初めての温もりに、暫し酔いしれた。



(…アクア、そろそろ離してくれると…)
(やだ)
(…はぁ、あとちょっとな)
(ふふふっ、)





fin.
title by 確かに恋だった

はじめての温度


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