序章

「琴葉、琴葉ーこっちにおいでー」
「犬みたいに呼ばないで下さーい。何ですかー?」

自動販売機で飲み物を買っていると五条先生に呼ばれた。こう言う時の先生は碌な事を言わないから嫌だなぁ

「明日恵と一緒に仙台で任務行って来て」
「仙台って宮城県?遠いし急すぎるよ先生」
「もともと恵一人の予定だったからね」
「んー?」

恵こと、伏黒恵君。現時点で学校での唯一人の私の同級生。同じ一年生なのにもう二級で呪術の扱いもとっても上手な同級生

「数少ない同学年なのに一人で仙台に行くの恵も、一人で待つ琴葉も寂しいだろうなぁと思って琴葉の参加を急遽決定しましたー!」
「要らぬおせっかいー」

伏黒君が寂しがる訳ないのにどういった思考でそう思ったのか理解できない。

「それに今回は呪霊を払うんじゃなくて、ある物を回収して終わり。ねっ、簡単だろう」
「あら本当」

それなら体力も使わなそうだし早く終わりそう。終わったり牛タン食べたいな。ずんだや喜久福も食べたい。明日伏黒君に食べても良いか許可もらおう。でも…

「宮城にまで行って何を回収するんですか?」
「宿儺」
「…ん?」
「両面宿儺の指を回収して来て」
「超特級呪物じゃん!?いやいやいやだー!」

何と恐ろしい物を高校生に回収させようとしているんだ!伏黒君もこれを聞いて良く任務を受けたな!それともこの先生に丸め込まれてしまったのか…。しかし回収するって事は宿儺の結界が弱まってるから強化する為の回収のはず。そんな時限爆弾を持って帰るなんてできるか!

「まあ嫌って言っても琴葉には拒否権はないから意味ないけど」


怒りで飲み物を先生に思いっきり投げつけたが簡単に避けられた。ああ、やっぱりこの人の言う事は碌なもんではない!


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