6



外を歩いてたら人だかりが目に入った。しかも全員女性。芸能人てもいるのかな?と思いその人だかりの所まで近寄ってみると芸能人ではなくバーナビーさんだった。成る程、だからこんなに女性ばかりだったのか。凄いなバーナビーさん。流石イケメンだけのことはある。
バーナビーさんとファンと思われる女性の方々の交流を見てるとバーナビーさんは笑顔で写真を一緒に撮ったり、握手したり、サインを書いたりしてた。これじゃヒーローというよりはアイドルだな。そしてバーナビーさん、女性を魅力してしまいそうな笑顔だが普段、虎徹さんに辛抱な態度を目の当たりにしているから激しい違和感を感じる。そんなことを思ってたらバーナビーさんがこちらに顔を向けた。私の近くにいた二人のお姉様方は「キャー!バーナビー!」と言いながら手が千切れるんじゃないかって位手を振っている。一方私は以前目があったのに顔を背けたという失礼な態度をとってしまったことがあるので、今回はそうならないように小さくお辞儀してからこの場を去る。
ちらりともう一度バーナビーさんを見ると違うファンと写真を撮っていた。バーナビーさん大変そうだな。同じヒーローだというのにやはり素顔を出してるとこうも違うのか。





その後トレーニングルームでトレーニングをしてたらバーナビーさんが入って来た。虎徹さんはいないみたいなので一人で来たみたいだ。
こんにちはと軽くお互い挨拶をしバーナビーさんはトレーニングマシーンへと向かう。そして私もトレーニングを続ける



………………



やばい。気まずいぞ。


虎徹さん達なら世間話なんかしながらトレーニングしてるんだけど、バーナビーさんとはどうすれば良いのだろうか。声をかけてみてもも嫌がられたりするんじゃないだろうか。バーナビーさんとは余り喋ったりしないし、ましてや二人っきりになったことなんて今までなかったからどうして良いのか全く検討がつかない。どうすればいいんだ!?
なんて考えながトレーニングをしてたら疲れを感じたのでとりあえず休憩をとることにしよう。長椅子に座りスポーツドリンクを飲む。ああ運動した後の冷たい飲み物は生き返る。しかし、気まずい雰囲気には変わらない。
バーナビーさんの方を見ると黙々とトレーニングをしている。何時も思うけどバーナビーさんは頑張ってトレーニングしてるな。虎徹さんなんてトレーニングルームにきてもダラダラしてるか喋ってるか…たまーにトレーニングをする位なのに。
ぼーっとそんなことを思ってたらバーナビーさんが私の近くで立っていた。びっくりした。あなた今さっきまであっちでトレーニングしてたじゃないですか。

「顔」
「はいっ?」
「さっきから僕の顔を見てるから何か言いたいことがあるのかと思いまして」

何と言うことだ見ていたの知ってたのか。恥ずかしい!

「いえ何もありません!ただバーナビーさんトレーニング頑張ってるな、なんて思ってただけなんです!」

私は思ってたことをそのままバーナビーさんに伝える。これはこれで何か恥ずかしいな。

「体力づくりはヒーローにとって基本なんですから真面目にやるのは当然のことです」
「ですよねー」

まさかここまで真面目なことを言われるとなんて思わなかったよ。あれだ、バーナビーさんは絶対学校では優等生タイプだったよ。いやむしろ優等生だったよ。うん絶対そうだ。

「それにあなた街でも僕のこと見てましたよね」
「へっ、街?……まさか」

それってファンに囲まれてた先程のことを言ってるのだろうか。確かにバーナビーさんの視界に入ったから私がいたの気づいただろうな、とは思ってた。お辞儀もしたしね。しかしガン見してたのを知られてたとは。忙しいそうだったからガン見してたの気づかないだろうと思ってたのに。


やばい。こっちの方が凄く恥ずかしいぞ!!

「すみません!ガン見してしまいすみませんでした!ただバーナビーさん凄いなー、なんて思いながらついつい見てただけなんです。野次馬精神で見てただくなんです!!」
「野次馬ってあなた…」
「本当にただそれだけなんです!すみません。いやむしろ私なんかがバーナビーさんを見るという図々しいことをしてしまいす「落ち着いて下さい」痛っ!」

恥ずかしさがピークに達し取り乱した私にバーナビーさんは私の頭にチョップをしてきた。
何故にチョップ?そして地味に痛い。まあ、このチョップのおかげで我に返ったのだが。

「と、取り乱してしまいすみません。お恥ずかしです」
「いえ、僕もつい反射的にあんなことをしてしまいすみませんでした」

反射的にチョップをしたのか。無意識でチョップを繰り出したのか。なんて思ったけど口には出しません。余計なことを言って墓穴を掘る様な気がしますから。だから私は別の話題を口にする。

「バーナビーさんって何時も外に出るとああなるんですか?」
「まあそうですね」

バーナビーさんはしれっと言うが、それってやっぱり凄く大変なはずだ。だって買い物行くときも外で食事するときも注目され、寄って来られてそれが毎日の日常にあるなんて体もかもしれないが、精神的に疲れてしまうと思う。

「大変ですね」
「大変ですが好印象を与えることでヒーローの人気も上がるのでしょうがないことですし」


おい、今この人さらりととんでもないこと言わなかったか?私の聞き間違いなのか?
その時だ。トレーニングルームのドアが開き、ネイサンさんが入って来た。ネイサンさんは私とバーナビーさんを見て少し目を丸くする。そして

「あらーん、珍しい組み合わせね」

と言ってきた。まあ私自身でされ珍しいことだと思ってるので、ネイサンさんが驚くのも当然だろう。そんなネイサンさんに私達は挨拶をする。バーナビーさんはトレーニングマシーンの方へ戻ってしまったが私はまだ椅子に座っている。するとネイサンさんがニヤニヤしながら私に近付いてきた。嫌な予感がする。

「ごめんなさいね。せっかく良い雰囲気だったのに邪魔しちゃって。今度から気をつけるわ」「………」

はい、嫌な予感的中しました。ネイサンさんはまだ私がバーナビーさんに気があるなんて100パーセント有り得ないことを思ってるらしい。というか、今の私達の何処を見てそう思ったんだ。

私が小さく溜め息をつくとネイサンさんが照れなくていいのよん。と言ってきた。

だから違うって。

斜め上を行く返答

title:コランダム


prev top next
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -