小説 | ナノ




23


「やっぱり何か隠してんだな?……言え。」




握ったスクアーロの手が冷たくなっていく。まさしく血の気が引くと言ったところか。



「………あの…隠してたわけじゃないんだ……ちょっと、言い出しにくくて…タイミングとか。」





そんなに言いにくいことなのか。ものすごく、歯切れが悪い。言うのにタイミングが悪いということは、悪い事や組織的に問題のある事柄ではないようだ。
(スクアーロ自身か俺に関することか。)






「…その、ショック受けるかもしれないけどよ……俺と」

「なんだ?ガキでもできたってか?」





スクアーロが蒼銀の目を見開いて固まった。三白眼がより一層強調されて少し気持ちが悪い。図星ですって顔をされると、俺もどんな顔をすればいいか判らない。



「はっ!……マジか?」


(適当に言ったのに当たるとは)



「…なんで…っ誰かに聞いたのかぁ??」





握ったままの手が体温を取り戻して若干汗ばんでいる。


「いつ」


「…な…七年前?え…と…できたのは8年前だぁ。揺りかごの前にできてたらしい」





(8年前だ…と…?)



流石に話についていけなくなりそうだ。8年眠らされて目覚めたらガキが既にいます?できたと言ってもてっきり最近できたくらいのことだと思っていた。



「…なんで言わなかった?」




「…混乱すると思った。今は子供と一緒に住んでるわけでもないし、色々あっただろ?だから落ち着いてからのほうが良いと思った。」





パァンッ






突然、乾いた音が響いた。スクアーロの左頬がじんわり赤くなる。




「ドカスがっ!んなことはすぐに言え!!!!」










スクアーロが痛む頬を抑えるより先にザンザスの大きな腕にギュウッときつく抱き締められて動けなくなった。



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