ミッドナイトブルー
私の叔父と従兄弟は赤緑色覚異常(色弱・色盲)です。日本人ではおよそ男性22人に1人、女性600人に1人が先天的に赤と緑の弁別が困難と言われています。
彼らはどのような世界を見てるのでしょうか?
肉に火が通ったかどうか分かりにくいから焼き肉は苦手。
ウッカリ人間の顔を黄緑色に塗ってしまう(クリーム色に赤を加える肌色と、緑を加える黄緑色は似た色に見えるそうです)。
手巻き寿司をすると卵ばかり好んで食べてたのは黄色が美味しそうに見えたからかも。食べ物は赤や緑(地味な灰色に見えるらしい)が多いですから。
叔父は息子が自分と同じ苦労をする事、小さい頃からの夢だった警察官への道を諦めた事を嘆いていました(注:現在は色盲でも警察官になれる所が多いそうです)。一般色覚者の事しか考えずに彩色された社会は彼らには不便でしょう。『色弱者』は『色に関して苦労を強いられてる弱者』なのかもしれません。
でも、彼らには彼らの素晴らしい色彩世界が広がってると私は確信しています。例えば、青〜緑に関しては一般色覚者にはわからない微妙な色合いの差を感じられるそうです。青はとても綺麗な色で、空や海は日射しにより刻々とその表情を変えるんでしょうね。黄色は更に輝きを増して見えていることでしょう。
いつか『色弱者』でも『色覚異常者』でもなく、『多数派とは異なる貴重な色覚特性所持者』として胸を張れる社会になって欲しいと願っています。
Cafe Terrace at Night
by Vincent van Gogh (public domain)
ゴッホの絵は黄色と青を印象的に使ったものが多く、赤緑色弱者にも鮮やかな色づかいに見えるらしいです。
2015.1.31
2019.10.31一部改
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