君のすべてを受け止める覚悟です 少しでも痛みを和らげるためなんだろう。熱く脈打つ自身を蜜口に宛がいながらも、ローさんの左手は私の尖った芽立ちを擦り上げるのを止めない。 それに応えるようにいつの間にか声を抑えることも忘れ、与えられる快楽に素直に身を委ねようとする私。足元からふわふわと浮き立つような慣れないその感覚も、いっそ溺れてしまえばどこか心地いい。 「…んっ、はぁ…ぁ、っ」 ぱっくりと口を開きかけた薄紅色のその場所へ、頭の部分から少しずつ埋め込むようにローさんが重心をかけてきた。粘着質な音を立てながら硬い漲りを迎え入れようと蠢動するそこからは、私の身体が悦んでいるという証がとろりと流れ落ちていく。 覚悟なんてとっくに決めてあったはずなのに。知らず知らずのうちに、身体は強ばり緊張していた。不安と期待に息を呑む私に、困ったように眉尻を下げながら苦笑いを浮かべるローさん。 「ナマエ、力抜け。でないと、辛いぞ?」 「あっ、んッ!い、いたっ…ぁあッ」 力を抜けと言われても、今自分の身体のどこをどう動かせばそれが叶うのか、皆目見当がつかない。というか普段私のこの脳内は、どうやって身体中の神経や筋肉に指示を出していたんだっけ? 「っ、まだっ…キツい、な…」 生まれた時からずっと共に過ごしてきたはずの自分の身体が、まるで自分のものではないかのように全く自由が利かないのだ。 「んっ…やぁあっ、ろぉッさ…っ、う」 自然と浮かび上がる涙の玉は視界を滲ませて。ゆっくりゆっくりと腰を押し進めながら、ローさんが少ししょっぱいそれを舐め取っていく。 「あと少しだ、先っぽは入ってる」 大切にされている、それが痛いほど伝わってくる優しい仕草だというのに。ぐちぐちと音を立てて埋め込まれていくローさん自身は、暴力的なくらいに硬く膨れ上がって。 それが深度を増すほどに、身体が真っ二つに裂けてしまうんじゃないかと思えるような痛みが、脳天を突き抜け私を襲う。 「ンうぅっ、んあッ…も、むりぃ…!」 「気を楽にしろ。すぐに終わる、とは言わねェが」 「っう、ばか…ッあ、やぁああ…ふっ、んぅう」 何かにしがみついてでもいないと、この痛みをやり過ごすことなんて出来そうもない。そうして無我夢中で伸ばした両手はするりと捕まえられ、ローさんの逞しい首へと回された。 ぎゅっと抱きつくように密着度の増した身体は、どちらのものとも分からぬ汗でしっとり濡れて。痛みはまだ続くけれど、触れ合う肌から伝わる体温に心が満たされる気がする。 「あっ…ろぉ、さ…っン、す、きっ…ぁん!」 「ナマエ、俺を全部…受け止められるか?」 「んっ!ぁん、あっんぁッ…ぜんぶ、ほしっ…よ」 「フフ…ッ上出来…っく、」 少しだけ苦しそうに眉根を寄せて、でも優しく微笑むローさんの艶を纏った表情に、キュッと摘み上げるように胸が高鳴った。 目次 | *前 | 次# |