卑劣な海賊の手口を見た…!




そんなこんなで――海賊人生ゲーム大会はかなり白熱した展開を見せており、食堂は大盛り上がり。



「おーっし、5つ進む‥っと!何々?デービーバックファイトで航海士を奪われ…遭難っ!?なんじゃそりゃー!クソッ」


「残念だったなシャチ。俺は…2つ進んで…海軍と開戦、軍艦を沈めて賞金額が5千万ベリー上がったぞ」


「うわ〜ペンギン、今ので賞金額3億超えたんじゃない!?…えっとおれは…4つ進むから…あ!やった宝の地図ゲット!」


「あ、じゃあ次は私だね。え〜っと‥6つ進んで…あ、遺跡の中で黄金を見つける‥だって」


「ぬぉう!お前らばっかズルくねぇか!?」



「「「 …いやいや、シャチが運悪すぎなだけだから 」」」




結局アンラッキーボーイ・シャチは海軍に捕まってインペルダウンへ投獄、戦線離脱だって…ウケる。


……って、笑ってる場合じゃなかったんだなこれが。



「初めてなのに5千ベリーも勝つなんてスゴいなーナマエ!」


「ベポ…いや、一番じゃなきゃ意味ないんだってば…」



1位は予想通りペンギンで、2位がなんと私!普通なら十分喜んでいいはずの結果だ。だがしかし。



「フフ…残念だったなァ、ナマエ」


「くっそーう、せっかく夢の"この棚の商品全部ちょーだい"が出来ると思ってたのに…!!」


「世の中そう甘くねェってことだ。じゃあお前、今夜からずっと抱き枕な」



地団太踏みながら悔しがる私の目に映ったのは、人を見下すかのごとく顎を持ち上げニタリと笑うローさんの姿。


こっちの世界にやって来てまだ二日目だけど、馬鹿にされるのはもう慣れた。

でも、でもね?…ちょっと待て。会話が通じなさすぎるだろ、このヤロー。初耳だ。



「はっ!?何ソレ意味ワカンナイデス」


「お前が一番に上がったら買い物し放題、じゃあ…一番になれなかったら?」


「ナマエちゃん残念!」


「――そんだけで済むか、阿呆。海賊相手にリスクなしでオイシイ思いしようなんざ甘いんだよ」



うまい話には必ず裏があるって覚えとけ、そう言っておでこを弾かれた私がよろりと床に崩れ落ちるのと同時。


夕飯を知らせるコックさんの声が、大きく食堂に響き渡った。




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