みんな夢中、海賊人生ゲーム




ペンギンに連れられてやって来た食堂には、既にクルーの大半が揃っておりゲームの始まりを今か今かと待っていた。


船長であるローさんもラム酒の瓶を傾けつつクルーたちの輪に加わりこそしないが、楽しげな彼らの様子を眺めている。



「ねぇペンギン、結局のところ海賊人生ゲームって何なの?」


「おい、まさかお前が元いた世界には無かったのか?…あの海賊人生ゲームが!?」



何だそれ、俺には耐えられん。嘆かわしい!…とか言ってオーバーに天を仰ぐペンギン。何気なく質問しただけなのにリアクションがウザい。え、てか何かキャラ違ってきてない?



「いや〜何となく想像はつくんだけど、一応確認をね?」



そう言って愛想笑いを浮かべると、今まで見たどのペンギンよりも生き生きとした様子で、張り切って海賊人生ゲームのルールを説明してくれた。


まぁ予想通り、ルーレットを回して出た数だけコマを進め、その先に書かれた指示に従う…という単純極まりない仕組みだ。

ちなみに日本家庭に一つは必ずあるであろう、あの『人生ゲーム』と違うのはゴールの目的が海賊王を目指してるコトかな。

さすが大海賊時代と言うべきか…憧れる子供が居ても何らおかしくないのかもしれない。



「俺たちみてェな海賊になるような悪ガキは、このゲームでよく遊んだもんだよ」



そう言って懐かしそうに笑うと、コックさんが椅子と紅茶を勧めてくれた。



「…わぁ、いい香り!いただきまーす!」


「そういや、ここに来たってことは嬢ちゃんももちろん賭けには参加するんだろ?」


「…へ?えーっと…賭け、というのは…」


「何だい、説明されてなかったのかい?」



呆れたように言うコックさんの言葉に、首を傾げていると。



「ナマエーキャプテンが呼んでるよ!」



コックさんが言う賭け用のお金だろうか、毛むくじゃらの手にしっかりとベリー紙幣を握ったベポが駆け寄って来た。




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