発言がいちいち変態くさい件





「おい、お前ら何してる」



甲板のそこかしこが水浸しになった頃、背後から聞こえる低い声にビクッと肩が上がる。

ギギギギ、と錆びた音を鳴らすようにぎこちない動作で振り返れば――

やはりと言うか、何と言うか…不機嫌そうな船長様のお出ましだった。



「いやっあの、これは!船長、違うんス!」



黙ったままROOMの構えをとるローさんの様子に慌ててシャチが弁解を試みるが、問答無用で上半身と下半身が切り離された。


その状態のまま下半身は甲板に正座、上半身も自由になる両腕でカサカサ這いながら下半身の横に並んだシャチは、本当にバラされ方も手慣れたもんだと思う。


私もここは大人しくバラされておくのが得策かと、覚悟を決めてギュッと目を瞑れば――脳天をガツンと衝撃が走った。



「…〜っ!!!」


「お前はそんな格好で何してんだ。裸に剥かれてェのか?」



あまりの痛みに言葉も出ず、涙目のまま刀で小突かれた頭を押さえていると。

何を考えているのかさっぱり理解不能な船長様が、また意味の分からぬセクハラ発言を堂々とかましてきた。



「ちょ、ローさん!そりゃ甲板水浸しにしたのは謝るけど、セクハラ発言反対!」



何で追い剥ぎされなきゃなんないの!そんなのまだバラされた方がマシだと頭を抱える私に向かって、ローさんが言った。



「ほぅ。島に着いたらお前の服を揃えてやろうと思ってたんだがなァ…反抗的なクルーには必要ねェよな」


「ぇえっ!今の全然反抗的じゃなかったよね!?むしろ乙女として当然のレスポンスだったよね!!?」


「ありのままを受け入れろ、ナマエ」



そう言いながら腕を組み、ウンウン頷いてるシャチに何だかイラッ!

バラされてる状態で何を偉そうに言ってんだコイツ、と思って正座してる下半身を蹴り倒してやった。



「とにかく、お前はこっちだ」


「えっ船長、俺は!?」


「日が暮れるまでそうしてろ」


「うえぇぇえ!昼飯抜きっスかぁ〜!?」



シャチの悲痛な叫びを背中に受けながら、ズルズル引き摺られ連れて行かれた先は……やっぱり船長室だった。




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