何だか生々しいのでやめて下さい




過去、船に連れ込んでおいしく頂いちゃったらしい女共のセクシーな下着…いや、ランジェリーを摘み上げるローさん。

ひらひらと揺れる黒の総レースのパンツ…いや、パンティをしげしげと見つめて一言。



「こんなの脱がした覚えねェな。それに俺は黒よりも白のレースの方が好きなんだ」



顔色ひとつ変えなかったペンギンと、こちらも顔色ひとつ変えないローさん。犬は飼い主に似るっていうけど、船長とクルーも同じなのか…?


ていうかそれ絶対、脱がした覚えがないっていうより…脱がしすぎて記憶に残ってないだけじゃないの!?最低、ほんと男って最低。



「そもそも俺は女は船に乗せねェ主義だ」


「え、でも私は…」


「ガキは例外なんだよ」


「な、にをおおぉう!?」



失礼極まりないローさんの言葉に、思わず鼻息荒く掴みかかりそうなった瞬間――



「それ、アレですよ。ほら前に酒場の女が船長に入れあげて、こっそり船に忍び込んでた時のじゃないっスかー?」


「ああ、そうだ。確かあの時、出港した後だったんで船長も何だかんだで次の島まで楽しんでましたよね」



ローさんの横でシャチが思い出したかのようにポンと手を打つ。そしてそれに呼応するように、ペンギンも最低ローさんの過去を赤裸々に暴露し始めた。



「……まあ、アレだ…大体だな、黒のレースがセクシーだとか勘違いしてる女がいるが、こいつは男心を全く分かっちゃいねェ!つまりはだな…」


「…えっ!完全に話逸らしたし…!!」



しかもちょっと待て……おーい。

全国の死の外科医ファンの乙女のみなさーん!
こいつ、ド変態ですよー!
真顔でソソる下着談義を繰り広げてまーす!



「あー確かに白のほうが濡れた時の透け感が違いますもんね!さすが船長、目のつけどころが違うよなぁ」



両手の拳をグッと握ってウンウン頷くシャチの表情は『キラキラ』という形容詞がぴったりだ。この場に不釣り合いなその無邪気な顔、今すぐ殴ってやろうか。


隣から飛び出したシャチのトンデモ発言に、寸でのところで手が出そうになるのは堪えたけど、うっかり膝蹴りをお見舞いしてしまった。



「ぐへっ…!ってぇええな、何すんだっ!!」


「お、なかなかいい蹴りを持ってるな、ナマエ」



いやいやいや、突っ込むところはそこじゃないからね?ペンギン!


…なんかコイツら、もうイヤ!


ああ"〜と頭を抱えながら変態ロー様を見ると…何だ、コレ欲しいのか?とか言って下着を渡してきた。



「いらんわーい!」



つ、疲れる…。

はぁ〜…と深い溜め息を吐いた瞬間、船内が大きく揺れてクルーの声が響きわたった。



『敵襲だぁぁああぁ!』




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