零式
  


死に対する感情が見出だせなくなったのは何時からだったのだろうか。


「ナインなら無事に”治った“ようです」



教室の後ろから二番目の窓際の席、そこが私の特等席になっていた。

いつもと何も変わらない空を眺めながら、時間を弄ぶかのように頬杖をつきながらぼんやりとした思慮を漂わせる。


そんな緩んだ私の思考の背を正させるかのようなクイーンの声が広い教室に響き、その声に私はゆっくりと振り返った。



『流石マザーだね』

「ええ、あと一日もすれば完全に復帰するそうです」



目を細めて笑いながらここにいない大好きなあの人を思い浮かんでいると、彼女も同じことを考えていたのか微笑を浮かべている。


その表情のまま薄い桃色の唇は兄弟の復帰に関する情報をつむぎ、その言葉を聞いて私は何の感情が含まれているのか分からない息を溢した。




書いたのは良いけど、これ以上どう広げるべきか分からなくなったボツネタ



2012/07/19 17:58

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