※死ネタ! こんな日常に突如ひょっこりと顔を出した非日常の中でなら、おとぎ話のような願いをしても許されるのでしょうか。 この戦争が始まって、0組として名を轟かしてから間もない頃、そのように彼に告げると「願うだけならタダじゃないのか?」と、彼らしい言葉を貰った。 そうだね、と薄く笑い遠くにある青を見つめて、願い事を込めながらゆっくりと目を瞑る。 その時にさわさわと流れる風が心地の良いもので、自然と訪れる眠気が波のように優しくたゆたい、眠りへと誘う。 抵抗する、という選択肢なんて思いつかないまま、私は意識をゆっくりと沈ませた。 不意に意識を浮上させると、そこは血生臭く視界の悪い戦場だった。 そこで私は今まで気絶していたのかと理解し、再び突きつけられる残虐なこの現状に顔を引き吊らせる。 緩く首を動かすと、瞬間、体のあちこちが悲鳴を上げ、この痛みを何とかして逃がそうと息を吐き、瞳に意識を集中させる。 体に鞭を打ちながら映した世界はあまりにも信じ難い光景で、痛む掌で握りしめた土は血のせいなのか湿って感じた。 『み、んな…』 乾いた声で生み出した言葉は情けなさが滲み出ていて、ああ、私は弱いなとこんな時に自虐的に考えてしまう。 返事が一つもないこの状況に、考えたくもないビジョンが映し出され、どうにかそのビジョンを打破しようと必死に耳を澄ませた。 しかし、それさえも無駄な行為だったらしく、逆に私の脳内に先程のビジョンを強く植えつけるだけの藥になってしまう。 嘘だ、嘘だ。 体を壁(という機能を失った瓦礫に近いもの)にみっともなく引きずりながら歩みを進めると、視界に飛び込んだ赤茶の髪、かれのかみ。 急いで目の前まで行き、膝から崩れるようにしてその場に座り込めば、さっきよりも鮮明に映る赤茶とよく見知った相変わらず端整な彼の顔。 何もかもさっきと同じように見えるソレで唯一違うのが、血が通っていると見受けられない頬。 その現実を否定しようと触れた彼はあまりにも冷たくて、嫌がおうにもその現実を認めざるを得なくなる。 認めてしまえば早いもので、溢れそうになる阿吽やら涙やらを、唇を噛みしめ目をキツく閉じて、抑え込もうと努力した。 ここで泣き喚いてどうなる、何一つ変わらないじゃないか、そうだ泣くな、泣くな私、ないちゃだめだ。 頭がぐちゃぐちゃになる、私だけでもマザーの所に戻らなくちゃとか、敵に見つかる前にここから離れなきゃとか、通信しなきゃとか、一杯やらなきゃならない事があるのに。 疲れのせいか、精神的な問題のせいか、はたまた別の何かのせいか、私の足はそこに縫い付けられたみたく動かせずにいる。 何となく俯いた拍子に溢れた一粒の涙をどこか傍観的にぼんやりと視界に留め、私の思考はあの時に願った自身の言葉を思い返したところで機能を停止した。 『もし平和な世界で、生まれ変わったら 今度こそこの気持ちをキミに伝えるよ』 最近エイトさんの中の人がハク様の声と同じ人である事をしりました、ごいすー 自由と書いてみゆって読むんですね 内容がとてもぐだぐた! 2012/07/13 20:18 |