どうしたものかと首を傾げたのがついさっきの出来事、そして芳しい匂いを発する紅茶を口に含むのが今現在の事である。 部下に淹れさせても良かったのだが、部下曰く自分は紅茶に関すると口煩くなる様なのでこうして自分で淹れている。 紅茶に対する姿勢はアイツに似てしまったのだろうかと己の(今は整えられるからまだましだが)眉毛と共に遺伝した性分を不服に思いつつ、現状に意識を向ける。 呑気に紅茶を飲む私の視線の先には、柔らかそうな茶髪に普段なら整っているであろう顔を、くしゃりと歪ませ此方を睨むあのスペインが座っている。 正確には“縛られた”状態のスペインが地べたに座らされている、だが。 そのスペインが何故此処にいるかというと、イギリスが私に見張るようにと送り付けたからである。 正直なとこ迷惑極まりないのだが、何せそのスペインを送り付けたイギリスは私の国の上司的な存在なので、温厚な私がその命令に逆らう選択はないのだ。 ただでさえ周りの国が小競り合いを繰り返しているのに、自ら進んで身内でも喧嘩をしなくちゃいけないのだ。 そんな私だがやっぱしこの状況は望ましいとは思えない、と言うよりあの狂暴なスペインを見張る状況を喜ぶ奴がいるのかと私は問いたい。 この沈んだ気持ちと共に息を吐き、紅茶の水面に映る自分を見詰める、うん酷い顔だ。 イギリスからは適当に痛みつけておけとは言われたが、私はサディストでも況してやマゾヒズムでもないのでどう行動すべきか悩む。 悩んで行動出来ずにいるのもまた問題なので、取り合えず部下にスペインを適当に殴らせて、私は奴が大事にしてる国を適当に攻め落とす事から始めようと思う。 (でも私は基本温厚だから、目が合ったスペインに笑み位は返しておこう) - 2012/01/04 19:09 |