千葉×下町
  

アイツに触れられた頬が熱を帯び、赤く色付く。

自分よりもほんの僅かに水分が少ない指の腹の感触が肌の細胞に脳に刻みつけられる。

己ではなく他の誰かが感じている何かなのでは、そんな事を思っているとアイツの指が俺の頬を撫できた。

一瞬、己の肩が震えた。



『千、葉』



己が思っているよりも緊張してたらしく、掠れている上に上擦るという最悪な声が漏れた。

嗚呼、なんということだろう。

いつのまに俺は「女」に成り下がったのだろうか。


そう考えていると、千葉の手がそのまま頬から顎に滑るように降りていき、親指が己のかさついた唇を撫でる。

止めろ、止めるな、止めろ。



「好き」



(前までの俺だったら、近付けて来るアイツの顔に頭突きの一つや二つはしただろうに)




23歳トリオが好きなんだ。

勿論茨城さんも好きなんだ。



2011/08/21 02:16

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