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縫合治子(ほうごう はるこ)
雄英高校一年A組に所属するヒーロー科の学生。また、今年度一名のみの特別入学生でもある。
物静かで愛想がない、という訳ではないがどこか一歩離れて様子を伺うことが多い印象のある人物。故に話しかけられれば無下にせず誠意を持って対応するも壁を感じさせる雰囲気から行動を共にする特定の人物はいない。しかし怪我人や病人がいればすぐに駆け寄り、完治したあとも定期的に容態を尋ねるなど世話焼きな一面も見せる。また、他クラスの経営科やサポート科と積極的に交流を持つなど彼女の性格に対しては一概に言えない部分も多々ある。
実は雄英高校に入学したのはヒーローになる為ではなく、失った個性“治療”を取り戻す為であった。その個性を用い、かつては学生という肩書きと両立し外科医も担っていた、という異色の経歴の持ち主。(国家資格は本来の受験資格にある「医厚生労働大臣が“学力及び技能を有し、かつ、適当と認定した者”」という規定と合わせて、超人化社会へと変化した現状に合わせた非常に特別的な措置。なので他の医師よりも手術前のカウンセリングや家族への確認は非常に入念にされ、手術の際も麻酔医や術者のサポート役が多かった)この稀有な個性により、“個性を取り戻すまで”という条件付きではあるが入学試験なしで特別入学することが可能になっていた。個性を使用することが出来なくなった要因としては、手術を担当した同年代の患者が手術後に突然容態が悪化し死亡した事によるストレスが挙げられていたが、実はストレスよりも彼女自身が個性に対する解釈にズレが生じていたことが大きな理由であった。彼女本来の個性は“治療”ではなく、文字通り千本の手を操る“千手観音”であり、外科医として手術をしていく内に「手術をする」という意識が強まったことが個性を発揮できないことに繋がっていた。なので今まで彼女が自分の個性によるものだと思っていた医師としての腕は全て柔軟に知識を吸収し、場面毎に臨機応戦に組み合わせて対処するといった才能と、その才能に甘えず努力を積み重ねたものから生まれた真の実力であり、個性はあくまでそれを助ける力であったことが反面した。また、人との間に壁を作る・距離を取る、といった性分もいち早く個性を取り戻し両親を安心させようとする焦りと不安から来るものであり、他人に目をかける優しさと自分に無いものを他者から吸収しようとする貪欲さを併せ持つ人間が彼女本来の姿である。個性を取り戻した一件から、当初であれば“個性を取り戻すまで”が彼女が学園に在籍できる条件であったが、本人が「病院内だけではなく現場でも迅速に対処できる医師になりたい」という願いのもと、“医者でヒーロー”を目指すため本格的に雄英学園の生徒になる。ヒーローを目指すようになってからは焦りや不安からふっ切れ、少しずつではあるがクラスの人間と距離を縮めるようになる。
彼女自身は自覚していないが、個性を勘違いしていた時期は内心個性を使いこなせていたかつての自分に対してコンプレックスを感じているところがあった。
両親は自分が良い医者になることを幸せと感じると思い込んでいるところがあったが、後に自分の視野が狭かったと反省している。

“治療”
その名の通り相手を治療する個性。怪我人や病人の治療を的確に行える、というもの。この個性があったからこそ医師免許の取得や雄英高校の特別入学といった前例のない措置が行われている。リカバリーガールのような超人化社会ならではのものではなく、あくまでこれまでの治療行為の延長戦上にある個性。本人曰く個性を使うと「頭の中に目の前の患者に対する治療方法が入っていき、迅速な治療が行える」とのことであったが、実はその現象は彼女が無意識にこれまでの知識・経験などから対処方法を構築していただけで個性によるものではなかった。
“千手観音”
彼女が持っていた本来の個性。自分にしか見えない千本もの手を操る個性であり、上記の「迅速の治療が行える」という現象は無意識に彼女がこの個性を使用していたことから発生していたものであった。しかし本来の性質を理解してからはまだ日が浅い為、当初は数十本しか扱えておらず、その中でもより精密に操作できるのは十本いくかいかないかであった。また操作する手が多ければ多いほど全体の動きは遅くなるという弱点と、姿は見えなくとも影は発生するという二点の弱点も抱えている。
現在は個性の使用条件のかさ上げの為、まずは操れる手の数を増やすことを試みている。
後に千本全てをきっちり操作すること意識するのではなく、反射神経を上げることで咄嗟の事態にその都度対応する動きを意識するようになる。
また、サポート科の発目に作ってもらった予めプログラムした動きを個性にもさせるサポート器具を用いることでより円滑な動きが叶っている。



2017/10/05 18:42

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