楓と茜



(USAさんと杜若)

今日は夕立があるでしょう、と朝の天気予報で言っていたのを忘れていたの。放課後、外はすっかり土砂降り。雷も鳴っている。
遠くの空が光った。音が鳴る。空が悲鳴を上げ泣くその天気は、私好みで実に宜しい。傘さえあったら、ね。
生徒会室には私と杜若。杜若も傘が無いからと二人で雨が上がるのを待っていた。


「先生ぇ、俺怖いです。雷めちゃくちゃ怖いです。もう泣いちゃいそうなぐらい怖いですぅ」
「それで?」
「先生に抱きついてもいいですか?」
「ダメです」


この馬鹿弟子、怖がってないのなんか一目でわかる。私を侮りやがって。
こいつは私の身体にすぐ触りたがる。処女の身体をベタベタ触るなんて、失礼なやつ。


「せ、せんせぇ!! 酷いっすよ!! 弟子が怖がってるんですよ!? 慰めるのが師匠の役目じゃないんですか!?」
「黙れ愚か者!! お前の怖がりは嘘じゃない」
「マジで怖いんですってばぁ!! せんせぇのそのぷにぷにとして触り心地最高な身体で慰めてください!!」
「だ、誰がぷにぷにか!!!」


くるっと一回転、綺麗な回し蹴りを一発お見舞い。見事愚か者の首に大ヒット。
気絶していれば怖くないでしょう?


(私が触るのはいいけれど、あなたが触るのはダメなの!)



楓と茜

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