照山くんと小村姉



………これ、

「これ…小村くんのだよな…」

うん、絶対小村君のだ。それ以外考えられない。
何故なら、僕にはこんなばかでかいメロンパンのぬいぐるみを買った記憶なんて無いからだ。そもそも買おうと思うはずが無い。

「それにしても邪魔だなこれ…」

抱きしめたメロンパンぬいぐるみをむにむにしながら呟く。
これはぬいぐるみというより抱き枕なのだろうか、とにかくかさばることこの上ない。…ちょっと気持ちいいけど。

「なんでこんな大きい物忘れるかなあ…」

っていうかまずなんで持って来たんだよって話だけど、そこのツッコミは小村君だから省略する。
…あ、やばいこれほんとむにむにしてる、すごい気持ちいいこのまま寝れるな僕。

「陽介ー?小村君から電話来たわよー!…って、寝てるの?」
「………起きてる…」

お母さんに呼ばれて意識が浮上してきた僕は、片手でメロンパンぬいぐるみをもしゃもしゃしながら受話器を受け取った。

「もしもし…」
『あっ照山こんばんは〜!!』
「こんばんは〜」
『…?なんか喋り方ふにゅふにゅしてないか?』
「え?そうかなあ…」
『そうだよ〜…えと、それでさあ、おれ照山んちにメロンパン太郎置いてっちゃったよな?』

メロンパン太郎?
…このぬいぐるみの名前だろうか。

「でかいメロンパンのぬいぐるみならあるけど…」
『うんそれそれ!!でさ、照山、ちょっとそれおれの家まで持ってきてくれない?』
「…自分で取りにこいよ」
『い、いや…おれ晩飯の用意してて手が離せないから…』
「じゃあ明日でいいんじゃない?」

別に重大な書類とかでもないし、無理に今日連れ戻さなくても大丈夫なんじゃないだろうか。

『だめなんだよ…姉さん、それが無いと眠れないから』
「え、これ小村くんのお姉さんのだったの?」
『うん。言わなかったっけ?』

いや、小村君にお姉さんがいたことすら初耳…
あ、違う初耳じゃない。前にクラスの奴が小村の姉ちゃんまじ美人だよなーとか話してるのは聞いたことがあったっけ。
でも本人から聞いたのは初めてだ。

…というか、僕その美人なお姉さんの私物抱いて寝ようとしてたのか…なんか凄い罪悪感…

「…仕方ないから持って行くけど…僕、小村くんち知らないよ?」
『うわあそうだった!!待って、今場所教えるから!!』


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