「………」



…ど、どうしようやってしまった。

僕は脚立ごと小村君側にぶっ倒れ、しかも本棚を引っ張ったせいで降ってきた大量の本の下敷きになってしまっていた。下に居た小村君は本と僕の下敷きになっている。

「お、小村くん大丈夫!?」
「おう、なんとか……っ!!!?」

小村君は自分に僕が乗っかっているのを見た途端凄く驚いた顔をして、それから困り顔になった。どっちもあまり見たことが無かったから珍しいなと思ったけれど、流石に状況が状況なので黙っていた。

「ごめん、重いよね…」
「っていうか、その…ち、近くないか?」

小村君が明後日の方を見ながら言った。
うん確かに近い。もし本が無かったら僕が小村君を押し倒していると思われても不思議ではない体勢だった。

「僕もそう思うけど…本が乗ってて身動き取れないんだ」
「そ、そか」
「うん」
「…照山ぁ…」

目の前の小村君は弱りきった様子で泣きそうな顔になっていた。
そりゃそうだ、本プラス僕分の重量がかかっているのだから辛いに決まっている。

勿論僕も困っていた。ずっとこうしている訳にはいかないのに本の山はびくともしない。誰かが発見してくれるのを待つにしても司書さんも図書委員もいない。せめて僕と小村君の位置が逆だったならどうにかなったかもしれないが…

「照山、なんとかならないか…?」
「ぅ…わ、解った、頑張ってみる。ちょっとごめんね」

僕がどうにかしないとどうにもならない。
僕は観念して唯一自由に動く左腕を小村君の頭の横について背中を持ち上げようと試みた。

みし。

…頑張ったら少し山が動いた…ような気がする。
いけるかもしれない。僕は一層身体に力をこめてみた。

みしみし、みし、ばさばさばさ。

「っ!?」

ら、再びやってしまったらしい。上の方に乗っていた本が山を滑って僕の頭に降り注いできた。痛い凄い痛い。

「わ、照山大丈ー…」
「、小村くん危なっ、」



―…その後どうなったかは大体想像がつくだろう。

考えてみれば自然なことだ、後ろから頭を圧迫されて目の前に人の顔があったらぶつかるに決まっているんだ。

僕は…本の襲撃に耐えられなかった僕は、小村君に思いっきりキスをかましてしまったのだった。


「「ーーー、」」




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