師匠と弟子の9年間
2015/07/13

弟子
「6月の終わりで、僕たちが出会って9周年だったらしいよ」

師匠
「ふむ、もうそんなになるのか、とも、まだそんなもんか、とも思えるな。お前とは本当に、ずっと昔から一緒にいるからな」

弟子
「あー、解る気がする。あと1年で10周年なんだーとは思うけど、どれだけ長いかっていうとイメージわかないなあ…」

師匠
「10周年になったら何かするか?例えば〜!例えば〜!!」

弟子
「絶対ろくでもないこと思いついただろ」

師匠
「例えば、お前がおれの好きなところを10個言うとか!」

弟子
「え、そんなんでいいの?地味じゃない?あと気持ち悪い」

師匠
「でもおれ、お前との会話では8割突っ込まれてきてるから…たまにはそういうのも欲しいなって」

弟子
「それはあんたが突っ込んで欲しそうな顔してるから…」

師匠
「あっ駄目だ!来年まで我慢できない!!今!今言って貰わないとしぬ!!テルお願い!!」

弟子
「えええなんか発作みたいに…ほら、そんなにジタバタすると髪が絡まるよ」

師匠
「9個でいい!9個でいいから!…えっ?一つ目は何?なんだって??」

弟子
「………」

師匠
「師匠が?何?優しくて?頼り甲斐があって??」

弟子
「………」

師匠
「強くて格好良くて頭が良くてっていうかもう全てが完璧ででもちょっとお茶目なところもあって?それから?」

弟子
「…僕、たまにどうして師匠とこんなに長いことやって来られたのか解らなくなるよ…なんで懲りずにこんなのの面倒見てるんだろう…」

師匠
「そう言いつつも、素直になれないだけで本当は大好きだからだろ?言葉では言い表せないあれだろ??」

弟子
「いや、割と本気で良いところが思い浮かばない………顔以外に………!」

師匠
「………そうかぁ…(しょんぼり)」

弟子
(しょんぼりしてる師匠は好き)





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