もう一度だけ 名前を呼んで | ナノ









初めて会ったのは、桜が咲いた春でした
髪を風に靡かせて、颯爽と走る貴方に、私は恋をしました
それが叶わぬ恋だとわかっていても、私は貴方を目で追うことをやめられはしなかったのです


「・・・・・・」
「・・・だって、好きなんだもの」


幼馴染の彼は、私にやめておけと、そういうけれど
わかっているのよ、だって私は生まれつき体が弱くて、後1年しかいないこの学園を卒業できるかも危うい体
対してあの人は、太陽の光を浴びて、元気に駆け回る、病気など縁のなさそうな人
釣り合わないことはわかっているわ


「私のこの恋は、墓場まで持っていくよ。ずっと、私はそうすると決めていたから」


そうして私はお見舞いに来てくれた幼馴染の彼・・・・・長次に、来てくれてありがとう、と声をかけて、眠りについた




一目惚れの行く末は







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