もう一度だけ 名前を呼んで | ナノ





side:小平太


長次が幼馴染の見舞いだと行って医務室に行った
私はつまらなくて、バレーボールを持って外に行こうとした
そのときに、医務室の前を通れば、女の子の声がした


「―――墓場まで持っていくよ。ずっと、私はそうすると決めていたから・・・。来てくれてありがとう、長次・・・」


長次の幼馴染というのは女の子だったんだな
その後、会話の声は聞こえなくなったから、きっと長次は暇になっただろうと、医務室の扉をあけて、ひょいと中に顔を入れる


「長次!」
「・・・・・?」


布団の横に座っていた長次に声をかければ、長次は振り向いた
長次が振り向た時に見えた顔は、白くて、今にも折れてしまいそうなほど細い首をしている女の子で
風邪なのか、頬を赤く染めて眠っていた
私はその子をじぃっと少し見つめた後、バレーボールを持ったまま顔だけ覗かせていた医務室の中に入った
そしてそのまま長次の隣に座る


「・・・・・どうした?」
「いや、"長次の幼馴染の子"を、私は始めてみたと思って」


今まで、6年間居たんだろう?と長次に聞いた
長次はそうだという肯定を、首を振ることで答えてくれた


「・・・篤葉は、体が弱い」
「そうなのかー・・・たくさん走れば治るものなのか?」


私のその問いには、長次は首を横に振った
その答えに、私は少しだけ落ち込んだ
彼女は、眠ったままだった



眠る彼女







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