親貞と一緒にいたら元親が凄く心配して結局嫉妬してヒロインを取り戻そうとする話

珍しく親貞が真面目な顔して名前と話しているなとしばらく見ていたんだが。


・・・そうだ。
あいつは油断ならねえ敵じゃねえか。



『義姉上、今の世は見合いではなく恋愛での結婚が多いんですよ』
『へえ、そうなんですか』
『だ、だから!義姉上!
 別に兄貴と絶対に結婚しなければならないという理は―』

「言わせねえよ?」



軽く拳骨で親貞が言おうとしたことを止めれば名前がいつも通りだと笑った。

それと同時にもう親貞と二人きりにはさせられないという考えが浮かぶ。
・・・さすがに名前が聞く耳持つとは思わねえ。
だがまだまだ14歳。
過敏な時期だ、下手に変な方向へ意味を捉えられても俺が困る・・・俺が、親貞でなく俺が。

あと、今のような笑顔を親貞に見せるのも惜しい。
なんてことを言っちまえば笑われるんだろうがな。
我ながら子供じみている。


「名前、今後一切親貞と二人きりはなしな?」
「心配されるようなことはないと思いますけど」
「・・・俺が嫌だ、それだけだ」

さすがに本意を言うのはどうなんだろうと思い、そっけない言葉となった。
するとその瞬間から名前の目が輝きだした。


「も、元親さん!
 もしかしてそれって嫉妬ですか?嫉妬してくださっているんですか!?」
「・・・・・・・・・」

何が嬉しいのかはわからないんだが。
それでもまあ嫉妬には代わりはないわけで。
ひとつこくりと頷いた。

「嬉しいです・・・元親さんが私に嫉妬してくださるなんて。
 今までは私ばかりがしていたというのに・・・・・・」

過去のことは耳に痛い話だが、ここまで嬉しがるとは思わなかった。


「ならちゃんと俺だけを見てろ」
「元親さんとお見合い結婚、恋愛結婚どちらもしてみせますから当たり前です」
「はっ、言うようになったじゃねえか」




頭を撫でてみるとまた子供扱いだと頬を膨らましてみせるが、それが可愛いのとなんとも言えない顔をして見てくる親貞の視線により俺は優越感にひたっていた。





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結局安定の親貞ルートの皆無さでした笑
お題下さった方ありがとうございました!!





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