政宗先生時代の結婚する前の二人の様子
伊達君に勢いよく抱かれてこい…なんて怒られたわけなのだけれども。
いざ元親を目の前にしてそういうことを誘ったりするのはできないのが小心者の私。
というか誘い文句なんか元より知らない。
でも、その前に元親が私にあまり興味持ってくれてないんじゃ…そう考えると自然にため息がこぼれてしまう。
久々に元親と共に私の家で甘いものを囲んでもどうにも楽しい気分になれそうになかった。
「どうした名前?」
「ん、何でもないよ」
「さっきからため息ばっかついてるぜ」
「そうかな…そうかもしれないんだけど、どうすればいいんだろうね」
悪いことを一度考えてしまえばどんどん悪い方向に考えてしまうのが私の癖で。
このまま元親に捨てられるんじゃないかと思っただけで不安になってくる。
「何かあったろ」
「そうかも…」
「ちょっとこっち来い」
元親が自分の膝をぽんぽんと叩いて膝に乗れと示している。
でもそれはさすがに私成人済みだし元親の方が年下だし…何より今元親のところに近づいたら有無も言わずに抱きついてしまいそうだ。
「恥ずかしいからいいや」
「なんだよ、俺じゃ役不足ってか?」
「ううん、違うけど」
なかなか折れない私に元親が動くとひょいと私を抱えて自分の膝に座らせた。
ああ、ここまで我慢してたのに…。
気づいたときには自分から元親に抱きついてた。
元親が今どんな顔をしているかはわからないけれど頭を撫でている手に安心感を覚える。
「私魅力ない?抱く気にならない?」
「な、何言ってやがる!?
どうしたんだよ、名前…さすがにそんなこと聞かれるとは思ってもみなかったぜ?」
「元親が…全然、その、なんていうか…」
「抱かねえからか?」
私の言いたいことをスパンと言い当てるとふうとため息に似たような笑いを零した。
「今夜は泊まってもいいか?あと明日休み取っとけ」
「え?」
「疲れてる名前に無理させられるかよ。
何でんな心配してた?」
「だって私年上だから枯れてるのかなって」
それ以上の言葉は不要だというように元親が私の口を塞いだ。
「俺がどんだけ我慢してたか、わかるか?
…わかんなかった名前にゃしっかり教え込まねえと」
「ちょ、え、元親…さん?」
優しい声にとても似合わない表情の元親に混乱していれば腕を取られて抱きしめられた。
元親にぎゅっとされればもう逃げられないのも同然で。
さらに耳に息を吹きかけられれば力が抜けて動けなくなる。
「お仕置きだ…今夜は寝かせねえからな」
「…お仕置き?」
「優しくはできねえから」
一瞬元親の言葉に焦ってもがいたけれどすぐにキスされてほだされてしまった。
それでも目の前にいる元親が愛おしくて自然と笑ってしまった。
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なんだかこのお題ノリで裏まで書きたい衝動に襲われたんですが笑←
お題くださった方ありがとうございました!!
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