男装の時にいろいろと悩むアニキ

男ってもんと女ってもんの違いは本当に意識させられちまうわけで。

「名前、肌が出すぎだ」
「別にいいじゃねえか、俺は今まだ男なんだぞ。
 元親が人のこと言えるのかって」
「お前それ女に戻る身が言う言葉かよ」


やっぱり地元とは言え土佐の夏は暑く、生まれてからずっとここで育ったといえどもなれはしない。
毎年野郎共、俺も含め男たちは戦がなけりゃ冷たい床に転んだりしちまう。
それも上半身は裸で。

だが今は絶賛名前の見張りがついた政の最中で。
さすがに年頃の女を前に脱ぐことはしねえが。
俺の代わりに名前が脱いでいる。


・・・まあ。
肌が出すぎだ、そういう分全部が見えているわけじゃあねえんだよな。
脱いでるといっても胸つぶしのためにさらし巻いているので大事な所は見えちゃいねえんだが。
まあ臍とかはばっちり見えてるわけで、そりゃ綺麗な肌ってばっちりわかっちまうわけで。
それも好きな女の、だ。


「自覚はもてよな・・・」
「は?」
「名前ちょっと来い」
「なんだよ・・・」

面倒くさそうに立ち上がると俺の目の前に座る。

「後ろ向け」
「なんでだよ」
「いいから」
「・・・」

だるそうにするのは夏に入ってからしょっちゅう見る。
それでもやっぱりこいつの肌をほかの野郎に見られるのは癪で。


「ちっと我慢しろよ?」
「え、っんふ、ぁ・・・って、何しやがる!!」

名前の肌をきつく吸うと綺麗な肌に紅い痕が残った。
当たり前の話だがそんなことに慣れない名前は怒って俺に襲いかかってくるわけだ。
それもまた・・・好都合。
腕を引っ張り、捕まえて耳元で囁く。

「これで俺以外の野郎の前じゃ脱げねえよな?」
「くぅっ・・・」
「それに俺と何があったのかは隠さなきゃなんねえぜ、男と男なんだからよ・・・な、孫八」
「そんなものは―うぁっ、こら元親!!」


痕のついたところを上からなぞれば更に可愛い声が上がる。
いつになれば素直に認めてくれるのか、それが本当に悩みどころだ。




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アニキ悩んでるのか、楽しんでいるのか…
お題くださった方ありがとうございました!!





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