15


「テレビ映っちゃったらどうしよー!!」
「ウチ恥ずかしすぎて走ってきた」
「僕は僕のキラメキをアピールしてきたよ!」

次の日、名前は家から学校へテレポーテーションした。
どうやら黒霧の言ったように雄英の前にはマスコミが集まっており、クラスメイト達は皆、オールマイトについてインタビューされたようだった。

ほんと、今日は飛んできて良かったぁ。

名前は盛り上がるクラスメイトを他所に、どうやってカリキュラムを入手するか考え込んでいた。





「学級委員長を決めてもらう」
「学校っぽいの来たーーー!!!」

HRを終えた相澤が何やら神妙な空気を醸し出し、クラスの雰囲気がピリついたと思えば、なんと学級委員長を決めるとの事。
こんな下らないことでどうしてそんなに騒げるの?と、名前が冷めた目でクラスメイトを見つめていれば、「委員長やりたいですソレ俺!!」「ウチもやりたいス」「リーダー!!やるやるー!!」と、次々に挙手をし始めた。
だが飯田の発言で投票制に決まると、名前は紙を片手に頭をうねらせた。

学級委員長なんて誰でもいいじゃん!
あーもう、ヒーロー科本当に面倒臭い!!

結局名前は白紙で提出した。
自分が0票で怪しまれる可能性もあったが、まぁ皆相応しいから選べなかったとか何とか言い訳すればいいか…と、投票結果が書かれた黒板を見つめた。
結果は、緑谷が委員長で八百万が副委員長となった。










「お米がうまい!」
「このスパゲッティも美味しい!」

名前は麗日、緑谷、飯田と共に、学食でお昼を食べていた。

「いざ委員長やるとなると不安だよ…」
「えー?緑谷くんなら大丈夫だよ!」

名前はそんな事微塵も思っていなかったが、緑谷をフォローするように励ました。
どうやら緑谷に票を入れたのは飯田だったようで、名前はなぜ飯田が緑谷に入れたのか不思議だった。

「っと、ご馳走様!私トイレ行ってから教室戻るから先に行ってて!」
「おっけー、名前ちゃん!」

『そろそろ?』と、死柄木にテレパシーを送れば、『あぁ、あと1分後だ』と、返事が来たので慌てて席を立った。
お皿を返却して学食を出ようと緑谷の後ろを通った時、偶然にも飯田の兄がヒーローだという話が聞こえたが、名前は特に気にすることもなく、カリキュラムを入手するため目的地に急いだ。















「………ラッキー、皆出て行ってるっ」

死柄木からの合図を受け、名前はすぐに職員室へ忍び込んだ。
そして中に誰もいない事を確認すると、相澤のデスクへ向かい、目的のカリキュラムを透視で探した。

「あったあったぁ」

名前はカリキュラムを隅々まで目に焼き付けると、持っていたメモを取り出して、それに念写の能力を使って写し出した。

「はーただのマスコミですって、嫌になっちゃう」
「生徒に被害がないのが幸いだ」
「…っやば!」

廊下から教師の声が聞こえ、名前は早く写し切らなければと念写を早める。
そして………、

「ん?嫌ね、急に落ちたわ」
「風にでも吹かれたんだろ」

なんとか間一髪の所で写し出すのに成功し、名前はテレポーテーション先のトイレの個室でそっと息をついた。



prev next
back


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -