×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -

前髪を切りに行ってきた話

2019.01.28.Monday

 本日、前髪を切りに行ってきた。
 安いからという理由で、特に行きつけでもない理髪店へ。
 私の前の客(高齢のご婦人だった)が店を出てしばらく、私はスマフォで待ち時間を潰しながら椅子に座って待っていた。

 なかなか呼ばれない。

 なんか店員さんがマイペースに作業しているのが見える。レジの店員さんなんてこちらを見もせずレジに没頭。なんだ、レジに超高性能なゲームでもついてるのか?
 そわっとするくらいには放っておかれた。
 あれか、私がこの店に似つかわしくない客だから放置してもよかんべと、そう思っているのか? それとも私が皮膚炎を持っていて肌が荒れ気味なのが気に入らないのか? とネガティブな想像をすること何分。
「お待たせしましたー、どうぞ」
 わりとあっさり席に座らされた。
 じ……準備に手間取っていただけだというのか……あの沈黙のうん分間は……。ちょっと待っててくださいねとか言われてれば私だって普通に待てた……いや、しかし、そんなことを気にしている場合ではない。行かねば。

 席に座る。
 クロスをかけられる。
「前髪カットですね、髪はバラバラがいいですか? まっすぐですか?」
 店員さんからの質問に、一瞬、なんの話だ? と思ったが、前髪の長さを揃えないカットにするか、ぱっつんみたいに長さを均一にするか、という質問なのだと判断した。
「あ、じゃあ、まっすぐで」
「まっすぐですね、はーい」
 コミュ症は話し出すときに「あ」から始まるそうである。……。

 大雑把にシャキシャキと音がする。(前髪をカットしている間、目に入らないように目を閉じている私)
「どうですか?」
 そう言われて目を開いたが、前髪の毛先が視界に入っている。まだ長いみたいだ。
「あ、もう少し切ってもらっていいですか?」
「はーい」
 コミュ症は話し出すときに「あ」から(省略)
 再びシャキシャキと音。
「こんな感じでどうですか?」
 と店員さんの声。
 目を開く。視界に毛先が入っていない。
 鏡を見る。

 見えない!!

 普段からメガネをかけている私、カットの最中は邪魔だろうと外していたメガネをかけるにかけられず、ぼやけた視界で鏡に映っているのは自分だろうな、程度の確認だけして愛想笑いを一つ。
「あ、はーい、大丈夫です」
 何が大丈夫なものか。
 見えてなかったくせに。

 こうして料金を払い、店を辞したのであった。

 メガネをかけ万能の視力を取り戻した私は、家に帰って鏡を確認。
 前髪まっすぐって言ったのに。
 ウェーブしとるやないかーい。
 いや、本当に。こんなに波うつ? ってくらい波だったのだ。
 ーーーー
 ↑これが理想の「まっすぐな前髪」だとすると
 〜〜〜〜
 ↑これくらい。
 ある意味で「毛先が揃っていない」。
 まあ、仕方ないか。
 だって安いから。

 自分でハサミを入れてしまおうかと悩んでいる今日この頃。
 特に行きつけというわけでもないので、がっかりもメソメソもしなかったわけだが、今度は前髪だけでも千円くらいとる店に行こうかな、などと考える私だった。

 いや、そもそも美容院とか理容院とかいう店は苦手なので、あまり行きたくないのだが。

 おわり。

20:18|comment(0)

back