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逆らうこと

2019.01.21.Monday

 うん。はい。わかった。そうだね。
 肯定の言葉を口にし続けた私に降りかかってきたのは、家人からの文句だった。
 だいたいが、家人が想像していた通りにならなかったことへの不満であり、じゃあ家人はその想像を口にして伝えてきたかというと、ノーであった。
 何も言わずに、でも、望みは叶えてほしいという態度なのである。無理でしょう、そんなの。
 普通わかるじゃん、と感情的にぶつけてくる文句に、うん、や、そうだね、という言葉を口にするのも、何か違う気がした。

 適度に逆らう必要がある。
 そう思った。
 知らんがな、でもいいし、じゃあそう言えよ、でもいいし、は? はぁ? はあああぁ? でも何でもいい。
 あなたが何でも正しくて、私はそれに従うだけ。という態度はやめよう。と思ったのだった。
 従っていれば楽ちんなんだけど。
 あなたがやれって言ったから、と、しれっと言い訳ついでに家人を責められて、それはそれで楽なのだけど。
 私のやり方に合っていないから、やめようと思ったのだった。

 私には私の、個人としての人格と意思があるのだと主張ししなければならない。
 いつでもどこでも上機嫌で言うことを聞くマシーンではないのだと、自分に証明しなければならない。

 まずは、知らんがな、を使いこなすことから始めよう。
 相手を言葉で殴り倒す必要はない。
 自分を言葉で守る必要がある。
 よし、あー、あー、マイクテスト。
 知らんがな。

16:17|comment(0)

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