空行を入れることについて
2018.08.01.Wednesday
まず、私はある思い込みを持っていました。
「小説なのだから、書籍と同じ書き方の方がいいのではないか」
贅沢を言えば縦書きにしたい。書籍の小説は空行など滅多になく、わりかし文字はぎっしりめであり、第一章はだいたい原稿用紙十枚か二十枚は使う……。
エトセトラ。
しかし、ある遊びをしていたところ、急にポコン、と思い込みフィルターが外れたのです。
十六個の形容詞、形容動詞を書き連ね、そこから八つの連想した言葉を書き出し、その八つから四つの連想を、四つからは二つの……最終的に一つの言葉を書き出す、というゲームのような作業です。
有名なものらしいので、興味がある方は調べてみてください。楽しいです。
そのゲームの中、私が書いた一つの言葉が「思い込みに捉われないこと」でした。
私が思い込んでいるものとは何だろう。
空は青いとは限らない……海は広いとは言い切れない……もっと、もっと限定的にしていくと?
あ。
小説の書き方。
ポコン。という音が聞こえたようでした。
ストン、と腑に落ちた音ではなく、ス、と意識が切り替わった音でもなく。
ポコン。でした。
「インターネットで横書きなんだから、文頭を一マス空けたって文字ぎっしりは読みにくい」
「なんだったら、初心者のときにしていたように、文字の色を変えたっていいんじゃないか」
「文字の色を変えるというのは大げさにしても、書籍じゃないんだから、書籍をなぞる必要性はないんだ」
「自分はぎっしりが好きだけど、それは紙のお話。じゃあネットでは?」
「別の角度から見てみよう。横書きでチラシを作るとき、連絡プリントを作るとき、挿絵が入るでしょう。全体的にデザインやバランスを考えるでしょう。それをネット小説に適用してみたら?」
こんな考えたちが、頭の中にポコン、ポコン、と入ってきたんです。
あっ、と声が出ました。そうか。いいんだ。自由に書いていいんだ。
趣味で書いているのだから、レイアウトも好きにしていいんだ。
趣味なのだから、小説家という職業の人たちと全く同じじゃなくてもいいんだ。
趣味で小説を書いている、趣味でお話を書いている、というのが強みになるとは思いませんでした。
そんな理由で、私はこれからもちょくちょく空行を入れていくと思います。入れ方が上手くなかったりするかも知れません。
それでも、少しは見やすく、そして、少しはしつこくなく、書いていきたいものです。
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