▼ 静帝
静雄さんは寒がりだ。
「帝人」
あ、また。
両腕を伸ばして僕を腕の中へ誘い込む。ぎゅうっと抱きしめられれば僕は静雄さん以外何もみえない訳で。
煙草の臭い。少し早い心臓の音。黒い蝶ネクタイ。布越しにわかる体温。
どれもこれも静雄さんのもの。
そう考えると馬鹿みたいに緊張して、熱くなって、恥ずかしくて、でも離したくなくて。頭の中がごちゃごちゃする。
だから
「帝人あったけぇ」
寒がりな静雄さんがそう言ってこうしてくれるから夏なんて、こなきゃいいのに、とか思うんだ。
***
「帝人」
好きな奴の名前を呼んだ。呼んだだけなのに心臓がどくんと動く。
俺とは違うちっさい体に触れたくて両腕を伸ばせば照れながらも寄ってくる。もっと近くに、なんて言えねーから強引に距離を埋めればまた心臓が大きく跳ねた。
ほんとは帝人の全部が俺のものだ、好きすぎて好きって一言じゃとても足りないぐらい好きなんだって言ってやりたい。だからこうして伝えてるんだってよ。
けど臆病な俺は
「帝人あったけぇ」
の一言しか言ってやれない。
もっと今より暑い季節になったらお前は嫌がるか?もし嫌がったら…やめよう。そん時はそん時だ。とりあえず今は少しでも多く伝わる様に余計な事は考えないで抱きしめておこう。
(二人と微熱)
君を想うと熱があがる。
▽まとまりねー!←
思いつきで書くとこうなる。
2011/06/15 23:28
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