「失礼しまーす」
自分以外の教師がいない教室に
明るい声が響いた
「リヴァイ先生、クラス全員の進路アンケート集めてきました」
「あぁ」
声の主は、自分が担任として受け持ったクラスの学級委員をしているマリン
彼女から受け取ったアンケートをチェックしていく
「おい、お前のこれはなんだ?」
「えっ!?えと・・・正直なことを書いたんですけど・・・」
マリンのアンケートには
希望進路:未定 と書かれていた
「お前は成績も態度も良いんだ。どこの大学にでも行けんだろ・・・なんかやりたいことは無いのか?」
そう言うといつも明るい彼女の表情が曇った
「・・・私の家、両親が離婚することになったんです。父親は会社の事情で海外に行っちゃうし、母親は再婚しちゃうし・・・私どっちにも行きたくないからフリーターになるかも・・・です」
今にも泣きそうな顔だったので
思わず抱きしめてしまった。
「せんせぃ?」
「だったらうちに来い。1つ部屋余ってるから普通に生活くらいはさせてやる。親には大学の費用くらい貰っとけ」
他に教師が居なくて良かった
そう思いながらリヴァイはマリンからの返事を待った
[ 3/32 ]
[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]