「マリン?」
「え.....へいちょ.....?」
懐かしい声に飛び起きると、
ずっと会いたかった彼が目の前に立っていた
「うそ.....なんで.....?」
「マリン、何故泣いている....それは!」
「あっ!」
私の腕の中にあったマントを取り、彼がため息をついた
「チッ....ハンジに渡されたのか?」
舌打ちをしながらも、私の隣に座り、優しく聞いてくれる彼
「はい....兵長も、エレン君も、エルヴィン団長も亡くなったと言われました....でも、嘘、だったんですね....」
「あぁ、俺は生きている。お前を置いて死ねるわけないだろ?」
そう言って、優しく抱きしめてくれる
彼の心臓の音が聞こえるだけで
彼の温かさが伝わってくるだけで、
彼が生きているとわかっただけで、
嬉しさがこみ上げてくる
「本当に、良かった....また、貴方に会えた.....っうぅ....」
「俺がそう簡単に死ぬと思ったのか?」
「ごめっなさ.....でも.....マントが.....」
「これはエレンの野郎の血だ。巨人化して暴走しやがったからうなじを切ったら、血が付いた。だからハンジに捨てとけと言ったんだがな...」
言いながら、彼が震えていたのでどうしたものかと思い、見上げると....
鬼のような表情をした兵長が居た
「へ、兵長?」
流石に涙も引いてしまい、恐る恐る声をかけると恐ろしい台詞が帰ってきた
「ちょっとハンジを殺してくる....」
「えっ」
止める間もなく、走って私の部屋から出て行った兵長を見送る
流石に、酷いことをされたので今回ばかりはハンジさんをフォローできない....
そう思いながらふと自分の部屋にある机を見ると、
卓上カレンダー日捲りは4月1日になっていた
壁外調査に行ってたっていうのに、ちゃっかりしてるなぁ.....
そう思っていると、ハンジさんの悲鳴が聞こえた
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