中学3年間、クラスが同じだった彼女
初めて会ったときから、ずっと好きだった彼女
そんな彼女が今、違う男の元に居る
「火神君、大丈夫だよ、私が居るよ」
「マリン........わりぃっ!」
偶々、見てしまった
何かに悩んでいたであろう火神を励ましている彼女を
それだけでも許せなかったのに、
火神は男のくせに、泣きながら小さな彼女を抱きしめた
そして彼女も火神の背中に腕を回して、
「大丈夫、大丈夫だよ」
と何度も繰り返しつぶやいていた
僕の方が先に惚れていたのに
僕でさえ下の名前で呼んだことがまだないのに
俺にだって不安なことはあるのに
俺だって彼女を抱きしめたいのに
俺だって彼女に大丈夫だと言って抱きしめ返されたいのに
それは叶わないんだ
だから、
俺を見てくれない彼女も、
俺の手に入れられない物を手に入れられる火神も
彼女に想いを伝えられない俺自身も
ずっと許せなかった
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