「黒子くん、黒子くん」
部活終わりに、1人でシュートの練習をしていると
大好きな人に、大好きな声で呼ばれた
「はい。どうしました宮内さん?」
大好きなその人に、想いを告げるほどの勇気はなく、
大好きな人を好きな呼び方で呼ぶことも、
好きな呼び方をして貰うことも、今の僕には叶わなかった
「頑張りすぎて、肩痛めないようにね?はい。タオル」
「ありがとうございます」
大好きな人の、大好きな笑顔を、今は独り占めできている
それだけでも今は幸せなんだと
自分に言い聞かせることで、
想いを告げられない苦しみや
彼女を抱きしめられない寂しさ
彼女の事を考えすぎる悲しさから
自分を守れる気がした
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