「あれー?これマリンちゃんのー?」




いつも通り、男子バスケ部でマネージャーの仕事をしていると、



同じクラスの高尾君がある物を持ってやってきた






「ん?何それ.......ビューラーだ。でも私のじゃないけど?」




可愛らしいピンク色のそれは、新品なのか箱に入ったままで、しかも有名なブランドのロゴが入っていた





「おい高尾てめぇ、何サボってんだ轢くぞ」


「げ、宮地さん!」


「げ、じゃねぇよ!!」


「うわぁ〜」


宮地先輩に頭をグリグリされている高尾君の手から、先程のビューラーが入った箱を取る


「良いなぁ〜、これ私の好きなブランドなんだよね」


「そういや宮内、それと同じとこのグロス持ってたよな?」


「ブフォッ!宮地さんっ、なんでそんな事知ってるんすかっwww」


「てんめ、別に良いだろ!つか、いつまで笑ってんだっ!」



今度は先輩に飛び蹴りを喰らって軽く飛んでいった高尾君を視界の隅に入れつつ、



もしかしたらと思い未だにこちらの会話を耳に入れないほど3Pシュートの練習をしている緑間君に声をかける



「練習中ごめんね、これ、もしかして緑間君の?」


「?........なっ!!??」




私の手にあるビューラーを見た瞬間、


顔を赤らめながら焦り出す彼



「あ、れ?緑間君ので良いんだよね?」


「俺の物なのだよ!」


「そっか!緑間君もこのブランド好きなの?というか、いつも睫綺麗だけどビューラー使ってたんだね!」


「つ、使ってないのだよっ!」


「あ、もしかして次のラッキーアイテムとか?」


「そ、そういうわけでもないのだよ」



何故か私の手からビューラーを受け取ってくれなくて、

緑間君は真っ赤になったまま、メガネのブリッジをカチャカチャさせていた




メガネの位置が気に入らないのかな?






「そ、それはお前にやるのだよ!」



「へっ?」




やっとメガネが気に入る位置に行ったのか、メガネから手を離すと真剣な目で私を見つめた




「その.....お前は.......宮内は、今日が誕生日なのだろう?」



「えっ?あ、ホントだ!」





今日は日曜日の為部活しかなくて、しかも寝坊して家を飛び出た為にケータイは家に忘れて来た........





「ブフォッwマリンちゃん自分の誕生日忘れてたのwwwwwwww」


「まじかよ.....そういう事はもっと早く言えよ!埋めるぞ!」



いつの間にか近くに来ていた高尾君に笑われ、宮地先輩に犯行予告を告げられる。





そして......










「誕生日、おめでとうなのだよ」







また手をメガネの元へ移動させつつ、




何故か顔が赤い緑間君に、誕生日を祝われた












彼の顔が赤い理由を、私が知るのはもう少し先の話





[ 16/87 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



×
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -