「これだーれのっ?」




昼休みに、
片想い中の相手、宮内が教室の教壇に立って可愛く言うもんだから



表情には出さずに教壇の方を見る




「宮地、顔やべぇぞ」



「うるせぇ、轢く....ぞっ?」




俺の気持ちを知っている木村がニヤニヤしながら話しかけてきたから、
イライラしながら、そして表情に出ていた事に少し焦りながら彼女の方を見て


俺は固まってしまった








細かく言うと彼女の手元を見て、だ。





「あれ宮地のじゃないか?」


いつの間にかいた大坪がボソッとつぶやいたところでハッと気が付く





そう、彼女が誰のかと聞いていたのは、




俺が落としたであろう、みゆみゆのストラップだった





ヤバい




この状況はヤバい






何でヤバいのかと言うと、





俺がドルオタであることを大好きな彼女に知られてしまうのは嫌だからだ





焦りすぎて混乱していると、大坪とは反対側に立っていた木村がデカい声を出して言った



「あぁそれ宮地のだ!」



「木村っ!」



バッと木村の方を向けばニヤニヤとしてる



というかクライメイトのほぼ全員がニヤニヤしている




「あ、これ宮地君のだったんだね!そこのドアの所に落ちてたよ?はい」




「あっ!」



いつの間にか目の前に立っていた宮内に驚く俺




笑う木村









後であいつ絶対殺す!





「さ、サンキュー」



「宮地君みゆみゆ好きなんだね!私の弟と一緒だ!」



天使のように微笑む彼女に、



ドルオタであることを引かれなかったんだと安心する





「宮地、良かったな」




大坪の声を聞きながら、自分の席に戻っていく彼女を見送る





「あぁ」








正直、今俺はみゆみゆがどうでも良くなった







だって、同じクラスに天使が居るのだから











宮地が彼女に告白をするのは、また先のお話




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