「あ、もうこんな時間になってしまいましたね、送りますよ。少し待っていてください」
「えっ?あ、ごめんねせっかく練習してたのに。ありがとう」
「いえ....」
彼女に気を使わせてしまったことを後悔しながら
片付けと着替えを済まして彼女の元へ向かう
「着替えるの早いね黒子くん。私なんか、もーっと時間かかっちゃうよ」
冗談っぽく笑いながら言う彼女に、どう答えれば正解なのかわからず、ただ笑って返すことしかできなかった
「私ね、バスケ部のマネージャーやって良かったなって思ったの」
「そうなんですか?」
「うん。だって今、皆と一緒に居れて凄く楽しいって思えるもん」
「僕も宮内さんや、皆と居ると楽しいです」
「黒子くんも?やったー」
本当に嬉しそうに笑う彼女を見ていると、自然と自分も笑顔になる
「あのね、私がこの学校に入って、黒子くん達に出会って、バスケ部のマネージャーになった事って、奇跡なんじゃないかなって思うの」
「奇跡....ですか...」
「うん。だって、私がこの学校に入らなかったら、今どんな人達と一緒でどんな事をしてるかわかんないし、まず楽しめてるかわからないじゃない?」
「そうですね」
一生懸命に言っている姿を見て、あぁ、やっぱり好きだなぁっと思ってしまう......
「僕も、宮内さんと出会えたことは奇跡だと思います」
「ほんとっ?」
「はい。だって、こんなに好きだと思える女性に、初めて出会いましたから」
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