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「宮内、帰るぞ宮内」
「ふぁ、、、?」
いつの間にか眠ってしまっていたようで顔を上げると
外が暗い窓と澤村先輩の顔が
「わっ!すすすすすみません!」
「おー起きたか、図書室ももう閉められちゃうらしいから出るぞ」
「はい!」
皆が部活中に爆睡かましていた私をとくに咎める事なく
澤村先輩は優しく笑いかけてくれた
すっかり暗くなってしまった道を澤村先輩と歩く
「宮内も入りたてで頑張ってるんだから、あんまりミスとか気にするな〜」
「で、でも谷地ちゃんと比べてだめだめで、、、試験も怪しいですし、、、」
「谷地には谷地の良いところ、宮内には宮内の良いところがあるから。勉強だって頑張ってるんだろ?」
「は、はい、でも、、、」
「だいぶ助けられてるぞ〜」
「わっ!」
優しい声色で私が安心するように話してくれる澤村先輩は
声色と同じくらい優しく頭を撫でてくれた
「、、、明日も朝練から参加していいですか?」
「当たり前だ!逆に大丈夫なのか?」
「すっごく気まずいですけど、こういうのは早い方が良いと思うので、、、」
「そうだな!明日迎えに行くから一緒に部活行くぞ!」
「そそそそんな今日送って貰うだけでもあれなのに明日もなんてっ」
「あれって何だよ、どうせ同じ道なんだし行きも帰りも関係ないだろ、それとも嫌か?」
「嫌じゃないです!ただ先輩と歩くの緊張するっていうか」
「じゃあ早く慣れて貰わないとな!また明日」
「あっ、ありがとうございます!また明日!」
宮内と書かれた表札の前でそわそわしていると
先輩は察したのか笑いながら手を振って歩いていく
2歳しか変わらないのに、先輩って大人で凄いなぁ
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