伊月視点
俺には好きな子が居る
その子は同じ学校で
同じ部活
でも1つ年下で
俺は選手、彼女はマネージャーだった
意識しすぎて彼女と話していると苦しくなって、いつからか俺は彼女の顔を見て話せなくなった
部活中も、学校でも、少しでも近くにいるとドキドキして、緊張して、
バレないようにするのに必死だった
そんなある日の事、彼女が昼休みに2年の教室に来た
「日向先輩!」
だけど、どこか緊張した感じの彼女が、宮内が呼んだのは俺ではなく、日向で、
どうやら“ここでは話せない”話をしたいらしかった
日向と2人で出て行った扉をしばらく見つめる
何の為に日向を呼んだのか、
何で2人じゃないと話せないのか、
何で宮内は緊張していたのか、
答えは簡単、宮内は日向の事が好きで、告白しに来たんだろう
「伊月?大丈夫か?」
「..........」
俺の気持ちを知っているコガと水戸部が心配そうに見つめてくる
「......大丈夫だ」
俺よりも、日向の方は大丈夫だろうか
俺が宮内の事を好きなのはカントクを含め、2年全員が知っていた。
もちろん日向も
だから俺に気遣って彼女をフったりしていたらどうしよう
彼女が傷ついてしまう
それは絶対に嫌だ
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