宮地視点









今日からレギュラーの合宿が始まる




参加者は早朝から部室に一度集まってからバスに乗っていく。






「おはようございます」





少し眠そうな宮内が小さめのキャリーバッグと可愛いピンクのバッグを持ってやってきた





俺が以前買ってあげた服を着て





「おはよう宮内。ありがとな、来てくれて。あと服すごく似合ってる」





できるだけ優しく微笑みながら頭を撫でてやれば、望んでいた以上の可愛い笑顔で見上げられる





「お洋服ホントにありがとうございました!夏休みにまた宮地先輩に会えて嬉しいです!」





嬉しい事を言われてつい抱きしめそうになった時、再び部室の扉が開いたので思いとどまれた




「あれ!もう皆来てる!おはようございまっす!」




「おはようございます...」






相変わらずの2人組が来たところで、メンバーが揃ったので大坪が説明を始める。






「皆おはよう。今からのスケジュールは以前配布したプリントの通りだ。今のところ変更点はない。では各自荷物を持って校門の前に停まっているバスに乗ってくれ。少し長旅になるのでトイレが不安な奴は行っておくように」






ぞろぞろとレギュラーメンバーが動き出した





俺は荷物の入った大きめのボストンバッグとエナメルを片腕で持って、宮内のキャリーの取っ手を持つ





「えっ?あっ!先輩!そのくらい自分で持てます!」




「良いから良いから。その代わり、バスでは俺の隣に座って?」






卑怯だと思われようがどうだって良い




少しでも宮内の近くに居たいから断れないように約束させる





「そんな、私楽しい話とかできないですよ!?」





「大丈夫大丈夫。そんなの気にしないから」





バスに荷台に2人分の荷物を入れてから車内に乗り込む





一番後ろから二番目の2人席が空いていたので、窓側に宮内を座らせる




「帰りは先輩が窓側で良いですよ!」




いつもより距離が近いななんて考えてたら予想外の事を言われてドキッとする






帰りも一緒に座れるのか.....






「いや、俺はこっちで良いけど、宮内は窓側嫌?」




「窓側好きです!」




「っ!じゃあ帰りも宮内が窓側な」





至近距離で可愛い笑顔で『好きです』なんて言われて、再びドキッとしてしまった。








俺生きて帰れるかな






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