宮地視点







高尾がトイレに走って行ってから、




今の状況なんかデートっぽいなーっとか1人で勝手に考えて照れる




「宮地先輩、あそこのお店ちょっとだけ見ても良いですか?」




身長的に上目遣いをされて、つい顔に熱が集まってしまう





「ちょっとどころか、気が済むまで見て良いぞ?ほら高尾もトイレ行ってるし」




そう言うと嬉しそうな顔をして繋いだままの手を引っ張られる




店に入ると女の店員が近づいてくる




「今このお洋服流行ってるんですけど〜、良かったらご試着しますか〜?」




「わぁ!これ欲しいなって思ってたんです....あの、宮地先輩」




服を手に取ってから、ハッとしたように俺の方を見る宮内




「俺は良いから、試着してこいよ」




「ありがとうございます!」




本当に嬉しそうに笑う顔が可愛くて、頭を撫でてやると足早に試着室に入って行った




「可愛い彼女さんですね〜」




暇なのか店員に話しかけられる




「いや、彼女じゃなくて学校の後輩で....」




「え〜でもすっごくお似合いですよ〜?」




「どうも.....」





他人からお似合いと言われると本当にそう見えてるんじゃないかって勘違いしそうになる





「あれっ?宮地さんこんなとこで何やってんすか?」




「おー、遅かったな。今宮内が試着してるとこ」




「マジすか!楽しみだな〜」




「あれ〜三角関係ですか〜?」




高尾を見てからニヤニヤと笑ってくる店員にそろそろイラッとしてくる




するとタイミング良く試着室のカーテンが開く





「わぁ〜マリンちゃん可愛い〜!」




高尾が店員よりも早く宮内に近寄る




「えへへ、ありがとう」




今日着ていた服も似合ってたけど、この服を着た宮内も可愛い




「お買い上げされますか〜?」




「買います!高尾君に褒めて貰えたし」




「やだもーマリンちゃん可愛い事言ってくれんじゃん!」




宮内と高尾がイチャイチャしてるように見えてイラッとしたので、宮内が試着室に戻った瞬間に店員に話しかける




「あの服いくらっすか」




「「えっ?」」




高尾と店員の声がハモる




「俺が払うんで」




「あ、5600円になります....」




「はい」




「....宮地さん、そのお金ってもしかして」




「....元みゆみゆのグッズだ」




「....イケメンっすね」





着替え終わった宮内が服を持ってレジにやって来る




「えっ?」




店員に服をすぐに包装して渡されて戸惑う宮内




「お買い上げありがとうございました〜」




「え、えっ?あれっ?どういう....」




「良いから行くぞ」




また手を繋いで歩き出すと、高尾が宮内に何か耳打ちする





「....えつ?先輩!お金返しますっ!」




「.....じゃあそのうち俺の買い物に付き合って?」




特に買いたい物は無かったが、またこうやって手を繋いで歩きたくて身勝手な約束をする




「じゃあその時は私が先輩の欲しいもの買いますね!」





それでも嬉しそうに笑ってくれるから





俺の頬も緩んでしまう








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