嫌い、嫌い、大好き4
2013/07/12 05:44

あっさりと告げられた言葉に静雄は口ごもる。
なるほど、確かにそうだ。確認したいという衝動はいつだって自分の中にある。
それは愛情や優しさ、そういったあたたかみのある無形のものの所在について。

何を言ったって、何をしたって、世界でたった一人に許されたい。
許されていることを確かめたい。
いつだって、いつでも。

「…………」
「…………」

何もかもを見透かしたようなその目が語りかけてくる。
それだけで静雄は自分の体中の血液が沸騰するような感覚に陥った。

綺麗な唇がゆっくりと動かされる。

「嫌だ、って言ってどうするつもりだった? 喧嘩に持ち込んで暴れたかった? それとも……」

白い指が伸びて静雄の膝にふれる。
す、と線を描くように太腿をくすぐられた。
頭では跳ねのけようと思うのに、体が動かない。
こちらの葛藤さえ知った顔で臨也が言う。

「売り言葉に買い言葉。俺がカッとなって、思ってもいないような罵りをぶつけるのを期待した?」
「…………」

苦虫を噛み潰したような、その何倍も渋い顔をして静雄は低く呻く。



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