「…ソーディアン、ですか?」
地上軍、司令のリトラーに呼び出されたソーディアンチームとケイカ。何故呼ばれたか全く検討もついていなかったケイカはただそこにいただけだったが、不意にリトラーがケイカに問い掛けた。「君のソーディアンを作りたい」と。
ソーディアンというのが何か、だいたいのことはハロルドに聞いていたが、まさかそのメンバーに自分がなるだなんて考えられなかった。だって、本当はこの世界の人間じゃないのだから。もし私がいないこの世界が存在するのなら、歴史が、変わってしまうかもしれない。
「どうして、私を?」
「君の能力は実に素晴らしいと思っているんだ。剣術、武術、特殊なレンズを使わずとも使える晶術や治癒術
君のソーディアンを作れば、地上軍の勝利は確実に近付く」
「ケイカ、光栄なことだよ」
「ソーディアンチームに入りたい者も沢山いるわ」
答えは、決められていた。ケイカがもし断っても、咎める者はいないだろう。けれど、きっともう、この人達と笑って話すことはなくなるだろう。
それは、嫌だった。
ハロルドやアトワイト、ディムロス、カーレル、イクティノス、クレメンテ爺、リトラー
そして、シャルティエ
ここで、この世界で出会った、私にとって大切な人達。
それを、手放したくない。一緒にいたい、笑っていたい。
私が、力になれるのなら。やるよ、負けないよ。一緒に進むよ。
「地上軍の勝利のため、お受け致します、リトラー司令」
「うむ、良い返事を聞けて嬉しい限りだ。早速、ケイカ君にはハロルドと共に物資保管所に行き、ソーディアン作成の準備にかかってくれ」
「りょーかい。
さぁ、忙しくなるわよーっ」
嬉々として鼻歌を歌いながら司令室を出たハロルドについていくため、リトラーに頭を下げて出ていこうとすると、ディムロスに呼び止められる。
「なに?」
「感謝する、ケイカ」
「え、ちょっとなに?やだディムロスったら、やめてよ」
「…改めて、歓迎する。
ケイカ中尉、これからも宜しく頼むぞ」
「えぇ。こちらこそ、宜しくお願いするわ、ディムロス中将」
「ケイカ、保管所から帰ってきたらハロルドと私の部屋に来てくれる?」
「ん、わかった」
「お祝いに飲みましょ?」
「賛成、楽しみにしてる」
じゃあ、いってくるね!と司令室を出てハロルドが待つ基地の入口に向かおうと歩きだした。
ソーディアンチーム
(イエスだったんだけどね)
20121121
久々の更新です。
これもちゃっちゃか更新していきますね!
17/18