少女は何を思ったのだろう
彼の愛を求めたのは、ずっと暗闇の中で一人ぼっちだったからかもしれない。
寂しいという、感謝に押し潰されそうだったのかもしれない。
だから、愛情を求めようとしたんだろう。
少女は自嘲気味に小さく笑みをこぼす。
いったい、何故こうなったのか――否、その術を少女は知る由もない。
見上げなきゃいけないほどの大きな屋敷を前に少女は蹴落とされそうなイメージを持つ。
――こんな大きな屋敷だなんて、聞いてないわ。
少女は心の中で悪態をつくが、よくよくこの屋敷の持ち主の事を考えてみると納得できた。
むしろ、これは仕方ない事だろう。
だが、自分の家よりも大きな屋敷は、本当に自分がここへ嫁ぐのだと、改めて実感せざるおえなかった。
いきなり、嫁がされる事になった少女は冷静に物事の判断をしているが不安がないというわけではない。
ただでさえ、内気な少女にはまだ“一度も会った事のない”男に会うのは辛い事だろう。
そびえ立つ門の前で咳ばらいを一度すると、コンコンと近くにあるベルを鳴らす。
その音が屋敷内に届いたのか、数分後に執事と見られる燕尾服を来た男が屋敷の中から姿を現した。
「おぉ!参られましたか!
さぁ、上がられ下さい、奥様」
少女の姿を捉えると同時に男は動き出し、少女を屋敷の中へと誘う。
一瞬、怯えたように肩を震わせた少女だったが、それも一瞬。
顔を上げて少女は小さく微笑むと屋敷の中へと入っていった。
****
これ、Monochro番外編でやるかMonochro本編でやるか、悩み中の物語。
幸せにはなれない物語。
つか、もうこれはMonochro関係なしに書きたいな。
なんか、質素で印象が小さいけど、印象が強く忘れられないような物語にしたい。
でも、まだMonochroを書き終わってない天乃は手を出しちゃいけないんだ!
いや…実際はね、プロットは1幕は完結に等しい状態なんだがね。
ちゃんとかけって…
いや、書いてるんだがな。
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20th.Mar.2011
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