レノとの会話
(高校生の二人)
「よっ」
「あ、レノ!」
「帰るか?」
「そうだね。今日はどこ寄ろうかなー」
「また寄り道かよ、と」
「あ、レノ行きたくない? 今日は急ぎ?」
「誰が行かねえっつったよ」
「なんだ、素直じゃないなー。じゃあ今日は駅前のジュース屋さんかな」
「ジュース? 自販機でも買えるだろ」
「違うんだって、目の前で好きな果物をミキサーで混ぜてくれる100%天然果汁のジュースだよ! しかもオープン記念で200円、安い!」
「へーえ」
「乗り気じゃないでしょ」
「んなことねえけど」
「じゃあつべこべ言わずに出発〜」
「んー、やっぱり100%は美味しいね」
「そうだな」
「なんかレノ今日は元気ないね」
「いや、そういう訳じゃ」
「悩み事だな?」
「お前そういうことだけは勘がいいよな」
「だけは、とか言わない」
「いや……そうだな。うん、いや……」
「レノさんがぼそぼそ言っております怖いであります」
「す……」
「す?」
「好きだから、その、」
「うん」
「あーーー、だから! お前のことが好きだ」
「うん、私も好きだよ」
「な!? え、今何て」
「だから私もレノのこと好きだよって」
「……な、な、」
「こんな仲良しの友達なんだから好きに決まってるでしょ!」
「……」
「なんで落ち込むの?」
「いや、お前はそういう奴だからな、知ってたぞ、と」
「なんか今日のレノ変だよ」
「うっせー、お前には一生わかんねえよ」
「ええー」
「いや、……そのうちわかる」
「ふうん」
「わからせるさ」
「変なの」
「俺の苦労も知らねえで」
「……」
「飲んだか、行くぞ」
「私もレノのこと好きだよ」
「はいはい、さっきも聞いた──」
「恋人になりたいってほど好きだよ」
「はいはい──え、お前何言って」
「……」
「お前なあ」
「……」
「待て、さっきわざとはぐらかしただろ」
「バレたかー」
「お前って奴は」
「だってレノがどういう意図で言ってるのかわからなかったし、レノはモテるし、関係が壊れるの嫌だし、だったらなんにも知らないふりしてた方がいいかもしれないって」
「……」
「ごめんね。怒った?」
「行くぞ、彼女さんよ」
「……!!」
(バカップルになってほしいです)
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