青春デストロイ!? | ナノ





青春デストロイ!? 第11話


「ふぁーあぁ、クソ寝み…。」

撫子は朝練が有るか無いかが分からなかったから、とりあえず朝の7時前に学校に来ていた。

「まだ、誰も来てないなぁ…朝練ないとか?マジで…ェー、せっかく来たのに!このお坊ちゃま学校め!爆発しろー!ついでにリア充も爆発しろー!」

やり場のない怒りをリア充にぶつけることにした撫子。

「…おはようございます。椿崎先輩。」

「あーあ゛ーあ?おはよう…えーと日吉(ツンデレ君)。」

「早いですね。」

「え、そうなの?実際朝練って何時から?」

「7時30分あたりからですよ。でも自由参加です。レギュラーになりたいって真剣に思ってる人しか来ませんよ。基本、レギュラー陣は来てません。実際、最近朝練に来てるのは俺ぐらいしか居ません。」

「なん…だと……。もしかして、私が来たのって無駄だった?」

「そう、なりますね…。」

リアルにorzになる撫子。

「良いわ、良いわよ。日吉君球出ししてあげる。」

「出来るんですか?」

「出来るよ!ただ……」

「ただ?」

「サーブしかまともに出来ないだけで……。」

「そう…ですか。じゃあ、やって下さい。」

「おk把握した。」

撫子と日吉はコートに入り、撫子が球を打つ。

「撫子、いっきまーす。」

シュッ(球を投げ)、ガッ(球を打ち)、シュン(日吉の顔をかすめ)、ガシャ(球がフェンスに当たり)、ぽんぽん(はねて)、コロコロ…。

日吉は目を見開いた。
思ったよりも早かった。鳳のスカッとサーブに負けるや早さだったが、油断していたため取れなかった。

「は、速いですね。」

「ま、ね。」

「前の学校で何部だったんですか?」

「文芸部だよっと。」

会話しながらでもノックは続く。

「小学校の頃にでもテニスやってたんですか?」

「……やってたよ。すぐ辞めたけどねぇ!!」

いやなことを思い出す。
自然と打つサーブにより力が入る。

「つっ……。」

打球が重い。
女子のくせに日吉がつい唸ってしまうパワーのボールを打ってしまうなんてどんな化け物だ。

「あ、ごめん。つい…これも全部、撫子のせい。」

「……いえ…。」

「すぐ辞めたけど体力作りはずっとやってるよ。ダンスって結構体力いるんだよね。歌も肺活量も要るし。ダイエットもしたかったしね。」

質のいい動画をうpするためにはその位の努力はぬからないんだぜ。

「色々と頑張ってるんですね。」

「でも私の目的は不純なものだし。日吉君みたいにレギュラーになりたいって思って努力してるのってかっこいいよね!!日吉君は年下だけど尊敬するよ。」

恋愛フラグを乱打てした撫子。どこの乙ゲーだ。

「べつに努力してるってわけじゃ…。」

誉められて顔を赤くする日吉。
その瞬間を見逃さなかった撫子。

「デレktkr!!萌えー!!!」

「……………………。」

百年の恋いも一瞬で砕けた日吉少年…ドンマイ。
恋愛フラグもへし折った。

予鈴がなり、撫子と日吉は朝練を止め教室の方に戻る。

「ありがとうございました。」

「いやいや、こっちこそ乱れた球しか出せなくてごめんね。」

「良い経験になりました。」

「うむ!!精進したまえ!!見返りっちゃーなんだけど、『あんこ、うぜ』って言ってくれない!?」

「え?」

「だからー『あんこ、うぜ。』りぴーとあふたーみー。」

「あ、あんこ、うぜ。」

「っ…………リアルノルあざーす!!」

「はぁ…。」

「じゃ、私行くわ!!アリベデルチ!!」ノシ

「…………。」

撫子の事がよく分からなくなった日吉少年であった。



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