青春デストロイ!? | ナノ





青春デストロイ!? 第06話


岳人と撫子がコントをしている間にも時間は過ぎてジローと樺地と呼ばれる二人が部室に到着した。

「ご苦労、樺地。」

「ウス。」

「デカ…あれ?一人?ジローって人は?」

撫子は辺りを見回してもジローらしき人は居なかった。

「ジローは樺地に担がれてるあれだ。」

「何で担がれてるのよ…。」

「ジローはどこでも寝るんだよ。」

「おい樺地、ジローを俺のとこに持って来い。」

「ウス。」

樺地はジローを跡部の座ってる椅子の近くに下ろした。

「おい、ジロー起きろ。」

「んあ?跡部どしたの?」

なんとか意識が覚醒したジローは跡部の方を向く。
跡部はそのままジローの耳元に顔を近づけ内緒話をする。

えっちょ近い近い、顔が近いぃ!!絵になるよこれ、イケメソとマジ天使。やだ、滾る。

「岳人さん。」

「何だよ。」

「イケメソ、またなんか企んでるよね。」

「おぅ…。」

「この後の展開が分かり切ってるので帰っても良いですか?」

「帰るのだけはダメ。」

「……ダメってもう一回言ってくれる?不覚にも萌えた。」

「…ヤダ。」

プイッと横を向く岳人。

「エクセレングハァ……!!」

グハァって女の子にあるまじき声を出しちゃったわ。あらいやだ。

撫子の背中にジローがぶら下がっていた。

なにこのハーレム
可愛い、可愛い……あぁもう可愛い!前に岳人後ろにジロー。

撫子は再び思う。
死んでも良いかもしれない、いやマジで。

「えーっと、ジロー?」

「うん、俺ジロー。」

トローンとした目で撫子を見るジロー。
マジで可愛い。

「ジロー…重いから離れてくれると嬉しいな?」

「じゃぁマネージャーしてくれる?」

「それは………。」

「忍足が言ってたC。お前、俺らに惚れないんでしょ?お願いだからやって欲しいC。」

ジローはそう言いながら撫子から降り撫子の目の前で岳人の横に並ぶ。
マジかわいい×2が目の前に!

「おおお忍足ぃ!助けて!いい加減戻ってきて!!」

藁にもすがる思いだった。
現実的な何かに捕まっておかないと誘惑に負けそうな撫子。

「心を閉ざしてるので聞こえません。」

さっきの岳人の様にプイッと横を向く忍足。

「忍足てめぇ覚えてろよ!!配るからな!絶対配るからなぁ!!」

「心を閉ざしてるので聞こえません。」

「去ね。」

[ 7/392 ]

[*prev] [next#]
[mark]
[mokuji]