青春デストロイ!? | ナノ





夢オチ


始めは遊び半分でした。

新しく笑顔動画に投稿する動画で何にするか迷っているときに忍足が言ったんだ。

「俺も、活動したい。ちょっと撫子の動画に参加させてや。」

って、だから私はいいよって言ったんだ。
【○○してみた】ってものをうpしすぎてレパートリーが無くなってきたんだ。
だから今度は【友達をプロデュースしてみた】っていう新しいジャンルに手を出した。


前にも赤也君とコラボしたときに忍足には出演してもらったから別にどうってことなかった。
それに前あげた歌には叫び声だけの出演だったのに、コメントで結構騒がれていた。
だから、忍足が言い出したのは丁度都合がよかったんだ。

まずは声を生かせれる様に【歌ってみた】から、あの声質だとバラードが良いだろう。
ゆっくりとした曲調で切なめの歌詞、掠れるような低い声。
見ている人の心を掴むには十分な要素だ。

撫子プロデュースっていう効果もあってか、忍足…『メガネ』が初めてうpした動画は瞬く間に殿堂入り。
百科事典も作られた。


そんな結果に私も忍足も満足だった。



そして第二弾として【顔出しの踊ってみた】をうpしようとカメラを回しているときに跡部が乱入、
その割には忍足とのダンスのコンビネーションは神がかっているものがあったから跡部の許可を得て動画をうp。

そして跡部(キング)もメガネに並ぶ神ユーザーとなった。

声もよければ、顔もいい、さらには長身ときたもんだ。
アンチのしようがない。


人気が高まってきたときに笑顔大会議、ライブの部に出演することが決まった。
撫子、メガネ、キングのユニットで、

只今本番前。

「なぁ…撫子、あんときここまで予想がついとったか?」

「いや、全然……まさかここまで人気が出るとは…。」

「アーン?人気が出て当然だろ?この俺様が居るんだからな。」

「…クッ、そんなナルシストだとはユーザーの皆様思ってもみてないよ!!」

うpした動画はいずれもトークは無かった。

「ナルシストじゃねぇ、事実を客観的に述べたまでだ。」

「……黙っていればただのイケメンなのにッ!」

「なんだ、見惚れたか?」

「……見惚れて悪いか!!お前みたいなイケメンはそう居ねーんだよ、この世界!!」

「うわ、世界規模まで行きよった。」

「当然だ。」

「ライブ中は少しは自重しろよ。みんながみんな、氷帝の子猫ちゃんみたいに容認するキャラじゃないんだからね。」

「フン…。」

「あとなんやねんこれ、この衣装。コンセプトなん?」

三人が着ている衣装は同じような色、雰囲気。

「えっとねユーザーの私らに対するイメージを百科事典やら、タグやらで調べてそのイメージが壊れないようにした衣装。
まぁ、ユーザーの妄想を衣装に投影してみた結果がこれだよ。」

同じようにはしているのだが、それぞれのネット上でのキャラが崩れないようにテーマが少しづつ違っている。

「…どんなイメージ持たれとんねん、これ……。」

これという忍足の衣装はなんともアダルティ。

「えっとメガネは…、
【歌う十八禁】【歩く十八禁】【踊る十八禁】【メガネ逮捕】【アエギスト】【立てば変態座れば淫乱歌う姿は18禁】etc
というわけで、これ。」

「………………俺まだ14なんやけど、18禁…最後のは貶されとんか?」

「何を言う、愛ゆえだよ。それに君だけアダルティすぎてあんま浮かないようにって私や跡部まで若干、アダルティ……。」

撫子は露出が多め。
ドンマイ。

「それに関してはGJ俺やな。撫子の絶対領域hshs。」

「チッ、本当に逮捕されてしまえば良いんだ。」

「オイ、俺様のイメージはなんだ?」

「あ、やっぱり気になっちゃう感じ?」

「…聞いておくだけだ。」

「ツンデレだねぇ…えーっと、
【キングの才能に嫉妬】【俺様の美声に酔いな!】【安心のキングクォリティー】【歌唱力の無駄遣い】etc
とりあえず、跡部はキングっぽいイメージは抱かれてる感じ?
まぁ名前がキングだしね。」


「出番です、準備お願いします!」

「あ、はーい。今行きまーす。」

スタッフから声がかかった。

「ついに出番かいな。」

「そうだね、私も何気にライブ初参加だから緊張……跡部、忍足頼んだ。」

「は?」

「盛り上げるのは、任せた。私はホラ、うん。」

「ちょ、逃げるんか!!」

「うっせ!!私のティキンハートなめんなよ!!」

「ハン、お前ら…俺様に黙ってついてきな。」

跡部が言い争っている二人を制し、自分に着いてくるように指示。
舞台の方に向かう。

「エンターティナーキング…。」

「まぁ…跡部は騒がれる場所で騒がられたら嬉しい奴やけーな。歌手とか天職やろ。」

「確かに、」

三人はステージへと上がる。中心に跡部、左右に忍足、撫子。
客席からは割れんばかりの歓声。

跡部が高く片手をあげ歓声を止めた。
そして口を開く。

「俺様が、キングだ。」

一瞬静まり返り、
先ほどよりも大きな歓声が上がる。

「喚けぇ!!メス猫共、喚けぇ!!!」

「「「イェエエェェエエ!!」」」

「テメェら、笑顔動画は好きか!?」

「「「イェエエエエエエエエエ!!!」」」

「キングは好きか!!!?」

「「「イェエエエェエエエエエエエ!!!!!」」」

「そんなこと聞かなくてもお前らのハートはスケスケだぜぇ!!!!」

「「「キャァアアアアアアアアアアアア!!!」」」

会場内盛り上がりすぎて、跡部王国建国してしまった。
忍足や撫子のキャラが全く立っていない。

「俺んことも忘れてもらっちゃぁ、困るわぁ。(吐息)」

会場内再び沸騰。
エコーのかかる吐息は殺人兵器。

「撫子です。こんな舞台に立てれたことが嬉しすぎてキャラが固まってませんけど、
……ここからが私たちの時間だ!!楽しんで、聞いてくれよぉ!!!」

少し強気で攻めてみた。

「「「「「ギャアァアアアアアアアアアア!!!!!」」」」」

「あっという間に終わるでぇ、攻めるん遅かったら後悔するでぇ…。」

「全身の毛穴をブチ開けな!」


「三人で歌いますは、この曲―――――――――――






―――――――――――――――
100000hit企画第7弾、
彼方様リクエストの「跡部と忍足がコスor動画ですごく人気が出て、最後までかっこよく」でした。

かっこいい……か?
うん、かっこいい、かっこいい。
まぁ、すべてはタイトルが物語っているとして、

主人公ちゃんも出張らせてみました。
始めは観客としての話だったんですが、これだとデストロイの意味がないと感じまして急きょプロデュースをさせてみた←

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