青春デストロイ!? 第76話 朝、撫子が学校に登校すると校舎の様々なところから「お姉様」と言う声が聞こえた。 すでに蒼の貴公子=撫子という方程式は氷帝の一般常識になったようだ。 正体をバラして一日しか経ってないというのにお金持ちの情報網は恐ろしいものがある。 クラスに行くと撫子の机のあたりにたくさんの女子が、 また忍足のファンかなと思っているとそうではなかったようだ。 撫子の姿を捉えた一人の女子が駆け寄ってくる。 「お姉様!!」 「!?会長ちゃんではないか!!おはよう。」 「おはようございます!!」 「後ろのみんなもおはよう。」 ニコリと笑いながら挨拶をする。 「「「キャーッおはようございます!!」」」 「…みんな…元気だね。 あ、そうだ。これとりあえず現像したの持ってきたよ。 後は煮るなり焼くなり好きにして良いよ。」 と鞄の中から現像した写真を会長に手渡す。 「あっありがとうございます!!」 「いいえー、まだ要るようなら言ってね。また持って来たげるから。」 「はいっ…。」 「みんな後から写真を貰ってね。 取り合いするようなら、その前に私に言って。現像するから。 じゃ、授業始まるよ。みんな各クラスに戻ってね。」 撫子が言うと女子達は戻っていった。 可愛いなぁ、可愛いなぁ…なんでみんな可愛いんだろう。 というかなんで今まで気づかなかったんだろう。 あれか、嫉妬心で醜く見えてたのかな。……可愛いなぁ可愛いなぁ可愛いなぁ…。 お持ち帰りって大丈夫だろうか。 「……おはようさん撫子。」 「おー忍足居たのか。」 「…酷いでそれは、男のプライドズタボロや。さっきの子ら俺の存在ガン無視して行きよったで。 ……にしてもほんま人気者になったなぁ。」 「だろ!!女子は自分より数倍凄いって分かったら憎むより崇める様になるもんなんだよね。」 「さよか…。 でもホンマ気い付けぇや。 男子はそんな心理とちゃうから。崇めるなんてしぃへんよ。」 「分かった分かったって、男子には気をつければいいんでしょ? 大丈夫だって女子みたいに陰険なことはしないでしょ。」 朝のSHRで明後日に球技大会があることの連絡があった。 今回はクラス対抗のドッチボールをするようだ。 放課後になりいつものように部室に行った忍足と撫子。 「よっす!!一日会ってないだけで久しぶりにあった気がするのは気のせいかな諸君!!」 「「「「「「……。」」」」」」 「…なんか反応しろよ。さみいだろチクショー。」 「なぁ……撫子…本当にイジメられてたのか?」 「なんてことを言うの岳人は!!そんな風なことを言う子に育てた覚えなんて無いわ!!」 「…育てられた覚えないし。いや、だってよ…今の人気っぷり異常だろ。」 「そうだぜ。跡部の人気よりあるんじゃねぇの?」 「うん、有ってもおかしくないよ。何故かって?私はファンの子達を愛してるからだよ!! 跡部みたいにメス猫共なんて言ってないもーん。 もっと人気が欲しいならファンサービスでもすれば?あ・と・べ☆」 [mark] [mokuji] |